【日経平均】206円高の日経平均もTOPIXも年初来高値引け

2014年09月25日 20:22

 車載機器が好調で2017年3月期の年間配当30円に目標設定のアルパイン<6916>は77円高で年初来高値更新。スマホ向けLEDバックライトが好調で今期の電子機器部門の営業利益が従来予想の129億円から170億円に拡大という業績観測記事が出たミネベア<6479>は72円高で年初来高値更新。昭和電工<4004>が売買高7位でも5円安で値下がり率11位と売られたのは、SMBC日興証券が12月期通期の営業利益を会社計画の320億円に対し310億円で未達と予想したため。HDDも売上数量が落ちているという。

 HOYA<7741>は125円高で年初来高値更新。蛇の目ミシン工業<6445>は8円安で値下がり率9位。売買高2位、売買代金6位と相変わらずの低位株人気。IHI<7013>は17円高で年初来高値更新。建設セクターは目立たなかったが、新日本建設<1879>は4~9月中間期の経常利益2.1倍の見通しという好材料があり23円高で年初来高値を更新し値上がり率8位に入った。日本製紙<3863>は4~9月中間期の営業利益が25%増の130億円前後という業績観測で11円高。第一三共<4568>はみずほ証券がレーティングを引き下げ22.5円安だった。

 三井物産<8031>はアメリカ・アリゾナ州シルバーベルの銅鉱山資産を売却し売買代金15位、21.5円高で連日の年初来高値更新。イオン<8267>によるダイエー<8263>の完全子会社化正式発表。株式交換で1月1日付で完全子会社化するため12月26日に上場を廃止し、「ダイエー」の屋号を掲げる店舗も2019年3月までに全て消え、戦後の流通革命、価格破壊の旗手だったダイエーは「歴史上の存在」になるスケジュール。イオンは24.5円高、売買高11位のダイエーは1対0.115の交換比率にさや寄せし15円安と反落し値下がり率1位。丸紅<8002>は7円高。ドラッグストアのキリン堂HD<3194>は2月期通期の業績見通しを営業利益は21.9億円を15.85億円に、純利益は9.7億円を5.97億円に下方修正し18円安だった。

 権利付き最終売買日だから買われたと思われるのが名鉄<9048>と近鉄<9041>。名鉄は7円高で高値引け、近鉄は2円高。私鉄の株主優待は「全線回数券何枚」というパターンが多く、それならこの両銘柄のように路線が長いほうがおトク。また、名鉄は三河湾周辺、近鉄は伊勢志摩という海洋リゾートに株主優待が利用できるレジャー施設が多いのもメリット。JAL<9201>は顧客データが最大75万件流出したが終値30円高。株主優待券欲しさはスキャンダルに勝つ。ANAHD<9202>は売買高5位で1.4円高。空運セクターは業種別騰落率で32位だった。

 3Dプリンターを使った新製品開発の仲介支援事業を始める電通<4324>は90円高。低迷が続いていた不動産セクターは反発し業種別騰落率2位になった。三井不動産<8801>は96.5円高、三菱地所<8802>は89.5円高の大幅高で住友不動産<8830>は35円高。ネット・コンテンツ関連ではenish<3667>が77円安で値下がり率12位に入り続落。コナミも25円安と売られた。

 新興市場も日経ジャスダック平均は0.08%、東証マザーズ指数は0.50%それぞれ上昇し反発。サイバーダイン<7779>はシティGが新規に「1」の最上位レーティングをつけ、6500円というかなり高い目標株価を設定してストップ高の500円高と買われた。他のロボット関連銘柄も菊池製作所<3444>が770円高と連れ高していた。

 東大発の創薬ベンチャー、リボミック<4591>が東証マザーズに新規上場。公開価格2300円に対し9時31分、1830円の初値がつき7月23日の日本ビューホテル<6097>以来の「黒星」。終値も1902円で公開価格を上回れなかった。初値が20.4%も安いので「上場時目論見書に疑義あり」かと思えばそうではなく、9月の新規IPOの中で公開株式数がケタ違いに多いこと、直近IPO銘柄のセカンダリーの不振に加え、投資家の目が主力銘柄に向きやすい権利付き最終売買日に当たったという不運もありそうだ。

 この日の主役はKADOKAWA<9477>とドワンゴ<3715>。10月1日付で経営統合し持株会社のKADOKAWA・DWANGO<9468>が改めて東証1部に上場するので、この日は持株会社の株式の割当を受けるための最終売買日。25~30日は一時的に上場廃止になる。KADOKAWAは161円高で値上がり率6位、ドワンゴは145円高で同5位に入った。5月13日に第一報が流れた時は、アニメや映画のコンテンツも持つ大手出版社と「ニコニコ動画」の結合で「クールジャパンをニコ動で世界に発信」と言われたが、17日にKADOKAWAの角川歴彦会長が説明した「メガコンテンツパブリッシャー」戦略によると、コンテンツ配信は「ニコ動」だけに限定せずデバイスや企業を問わないオープンなものだという。ドワンゴとの経営統合の主な目的は、ネット動画配信で経験も実績もあるICT企業を取り込み、コンテンツ配信のエコシステムを確立する点にあるらしい。(編集担当:寺尾淳)