【今週の振返り】16000円を割り込まず91円下落にとどめた週

2014年09月27日 20:12

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NYダウが2日で224ドル下落しても38円安。1日で264ドル下落しても144円安。東京市場はどうしてこんなに粘り強くなったのか?

 前週末19日のNYダウはスコットランドの独立否決を好感し13ドル高で5日続伸し3日連続史上最高値更新。NASDAQ総合指数は13ポイント下落した。注目の超大型IPO、アリババの初値は公開価格68ドルを36.3%上回る92.70ドルで、終値は93.89ドルと順調。時価総額は約25兆円でトヨタ<7203>よりも多くなった。アメリカのヤフーは2.7%下落し、ソフトバンク<9984>のADR(米国預託証券)は東証終値比で0.9%下落した。NY市場の売買高は前日の2.7倍。新型iPhoneの発売日だったアップルは0.8%下落。22日朝方の為替レートはドル円が109円近辺、ユーロ円が139円台後半で、前週は急進した円安もちょっと一服。

 日経平均は39.81円安の16281.36円でマイナスでスタートするがTOPIXはプラスで始まって堅調。NTのねじれの原因は先物に引っ張られたファーストリテイリング<9983>、ソフトバンクが安くトヨタやメガバンク銘柄が高いというそれぞれの寄与度上位銘柄の違い。日経平均は16300円に届かず、「NTねじれ現象」のまま午前9時台はズルズル下落し10時1分に16222円まで下がる。TOPIXも一時マイナスに落ちた。それでも為替のドル円が109円台を回復すると少し反発し、10時台前半は16240~16250円で推移するが、上海も香港もマイナスで始まるとTOPIXが再びマイナスに落ち、ソフトバンクの値崩れに伴って日経平均も下落していく。11時台には16200円も守りきれず、前場は安値引けの16189円で終了した。

 昼休みに為替が円高方向に動き、後場の日経平均は下げ幅拡大で再開。午後0時49分に16170円まで下げて底打ち。1時台はTOPIXとともにマイナス圏で落ち着いて16180~16200円の水準で小動きする。2時20分すぎからソフトバンクの下落幅が拡大して16170円台まで下げるが、終盤は持ち直し大引け直前に16200円を突破。終値は115.27円安の16205.90円で3日ぶりに反落した。日中値幅は129円。TOPIXは-1.03の1330.88で反落しながら1330台は維持した。JPX日経400は+3.08で3日続伸。売買高は19億株。売買代金は2兆682億円で3日連続で2兆円を超えた。

 プラスセクター上位は鉱業、空運、銀行、卸売、医薬品、石油・石炭など。マイナスセクター下位は情報・通信、海運、パルプ・紙、水産・農林、食料品、金属製品などだった。

 22日のNYダウは107ドル安で6日ぶりに下落。NASDAQは52ポイント下落した。中古住宅販売がプラスの市場予測に反し1.8%減少。アリババは4.3%下落。23日発表の9月の中国のHSBC製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値は50.5で8月改定値の50.2から上昇し市場予測の50.0も上回った。ユーロ圏購買担当者景況指数(PMI)が52.3で9カ月ぶりの低水準になり、米軍が「イスラム国」への空爆をシリアに拡大したこともありヨーロッパ市場は大幅下落。23日のNYダウは116ドル安と続落し、NASDAQは19ポイント下落した。財務省が海外移転による課税逃れ防止策を打ち出し、セントルイス連銀のブラード総裁が10月の次回のFOMCで例の「相当の間(considerable time)」の表現が変更されるだろうと発言し早期利上げ観測まで再浮上。下げ要因ばかりゾロゾロ飛び出した。アリババは3.0%続落。新型iPhoneの販売が3日間で過去最高の1000万台超を記録したアップルは1.6%上昇した。一時的に円高が進行したが、24日朝方の為替レートはドル円が108円台後半、ユーロ円が139円台後半で、22日とほぼ同じ水準で円安基調は継続。

 日経平均は100.34円安の16105.56円で始まる。TOPIXもマイナスでスタート。午前9時3分に16094円の安値をつけるが、9時30分前から日経平均もTOPIXもグングン上昇を始め、両方とも9時49分にピークをつけた。国連総会出席のために訪米中の安倍首相が「GPIF改革を重視している」「GPIFのポートフォリオを見直したい」と発言したのがきっかけ。日経平均は16203円と前日終値にあと2円まで迫るがプラスには届かずに折り返す。それでも前場の残り時間はおおむね16170~16200円で小動きして底堅い。中国市場は上海は下落、香港は反発で始まったが、権利落ちの前にできるだけ値を保って終わりたいという思惑も交錯している模様。しかし前引けは直前の売り圧力で16157円だった。

 後場は12円高く再開するが、そこから急落して16140円を割り込む。為替のドル円が円高方向に振れていた。1時を回ると16120円を割り込む局面もあるがおおむね16110~16130円のレンジで小動きし、16100円は割り込まない。下げればGPIFや日銀が需給を支えてくれるという思惑がまさる。2時を過ぎるとにわかに上昇して16150円を超え、終盤にも上昇して終値は38.45円安の16167.45円と休日をはさんで続落したが、欧米市場と比べると下落幅は小さかった。日中値幅は109円。TOPIXは-4.70の1326.18。売買高は21億株、売買代金は2兆2230億円と多かった。

 プラス上位は建設、金属製品、倉庫、陸運、繊維、医薬品など。マイナス下位はゴム製品、証券、保険、情報・通信、海運、鉄鋼など。