【今週の振返り】16000円を割り込まず91円下落にとどめた週

2014年09月27日 20:12

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NYダウが2日で224ドル下落しても38円安。1日で264ドル下落しても144円安。東京市場はどうしてこんなに粘り強くなったのか?

 24日のNYダウは154ドル高と3日ぶりに反発し17200ドル台回復。NASDAQは46ポイント上昇した。8月の新築住宅販売件数が年率換算前月比18.0%増で50万戸の大台を超えリーマンショック前の2008年5月に並ぶ水準になったのを好感。「considerable time(相当の間)」をめぐりクリーブランド連銀のメスター総裁が「変更の必要がある」と発言。ドラギECB総裁は追加金融緩和を匂わせる発言を繰り返した。25日朝方の為替レートはドル円が109円台前半、ユーロ円が139円台後半で、ドル高円安が進んでいた。

 日経平均は159.74円高の16327.19円で、19日の終値ベースの年初来高値16321円を上回る大幅反発で始まる。TOPIXも10ポイント超の大幅上昇でスタート。序盤はもみあいで、午前9時24分に16303円の安値をつけ、9時53分に16344円の高値をつけた後、約40円幅で動く。10時台後半に上海市場も香港市場もプラスで始まると日経平均も16350円前後に水準を上げる。そして11時12分、16365円まで上昇して19日のザラ場ベースの年初来高値16364円を更新した。前引けは16364円だった。

 後場は16350円台で再開するが0時台は16320円台まで下落。1時台は16350円近辺まで持ち直すがおおむね16330~16350円のレンジで小動き。2時台になると16340円台でほとんど動かなくなる。しかしTOPIXのほうは1340台に乗せてザラ場ベースの年初来高値を更新しながら徐々に上昇していった。終盤になると日経平均もようやく上向きに動き出し、終値は206.69円高の16374.14円の年初来高値引けで反発。日中値幅は71円と小さい。TOPIXも+20.25の1346.43で年初来高値引け。JPX日経400も年初来高値引けだった。売買高は23億株、売買代金は2兆3317億円で、5日続けて2兆円を超えた。

 全業種プラスで、上位は鉱業、不動産、保険、輸送用機器、機械、小売など。下位は海運、空運、医薬品、パルプ・紙、水産・農林、繊維などだった。

 25日のNYダウは30種全て下落の264ドルの大幅安で一気に17000ドルの大台割れ。NASDAQ総合指数は88ポイント下落した。8月の耐久財受注は前月比18.2%減で市場予測より悪く、新規失業保険申請件数は前週から1.2万件増加。さらにダラス連銀のフィッシャー総裁が2015年春の利上げの可能性を指摘したり、イラクのアバディ首相が「イスラム国」がアメリカの大都市とパリの地下鉄でテロを計画中と言ったり、統合参謀本部議長のデンプシー大将が「イスラム国」に対し陸上部隊の投入が必要かもしれないと言ったりで、株価の足を引っ張る材料が次から次へと出現。アップルはiPhone用基本ソフト「iOS8」の更新版に不具合発生で配信を停止し3.9%下落。アトランタ連銀のロックハート総裁が「最近のドル高は輸出を阻害する可能性がある」と発言し、26日朝方の為替レートはドル円が108円台後半、ユーロ円が138円台後半と少し円高に振れていた。

 取引時間前に消費者物価指数(CPI)が発表され、8月全国は3.1%増で15ヵ月連続プラスだが市場予測の3.2%増を下回った。9月東京都区部は2.6%増で市場予測と同じで17ヵ月連続プラス。日経平均は約91円と推測される配当落ち分込みの286.19円安の16087.95円で始まる。TOPIXは20ポイントを超える下落でスタート。しかし日経平均は「寄り安」で上昇し、9時19分に16207円まで高くなる。その後は10時台までおおむね16170~16190円のレンジで動く。上海市場も香港市場もマイナスで始まるが少し下げただけで回復。11時を回るとにわかに上昇して16200円を突破して11時14分に16221円まで上がり、前引けは16213円だった。

 昼休みに為替が円安に振れドル円が109円、ユーロ円が140円にタッチ。後場の日経平均は下落幅をさらに圧縮して再開し午後0時35分に16234円の高値を取る。後場はマイナス圏ながらおおむね16200円を割り込むことなく推移し、1時45分頃からいったん凹んだ後、2時台には徐々に上昇して2時45分に16251円の高値を取った。終盤は下押しされ終値は144.28円安の16229.86円で、日中値幅は164円。反落したが、最後にはドル円109円台に乗せていた為替に支えられザラ場中142円も上昇し、配当落ち分を差し引くと実質53円安程度でしのいだ。今週は1勝3敗、19日終値から91.31円下落して取引終了。TOPIXは-14.48の1331.95で1330台を確保。売買高は20億株、売買代金は2兆314億円で2兆円台が6日続いている。

 プラスのセクターは不動産で、マイナスのセクターは下落幅が小さい順に電気機器、その他金融、小売、建設、繊維など。下落幅が大きい順に卸売、証券、鉱業、銀行、陸運、機械などだった。(編集担当:寺尾淳)