海外の経済指標は、6日はドイツの8月の製造業受注、7日はドイツの8月の鉱工業生産指数、英国の8月の鉱工業生産指数、アメリカの8月の消費者信用残高、9日はドイツの8月の貿易収支、経常収支、アメリカの8月の卸売在庫、10日はフランスの8月の鉱工業生産指数、英国の8月の貿易収支、アメリカの9月の輸入物価、9月の財政収支が、それぞれ発表される。
7日はオーストラリア準備銀行理事会が開かれ政策金利が発表される。インドネシア中央銀行が政策金利を発表する。8日は9月16日、17日開催のFOMCの議事録が発表される。8~9日はイングランド銀行(BOE)の金融政策委員会、9日に政策金利が発表される。9~10日はワシントンDCでG20財務相・中央銀行総裁会議が開かれる。10日はワシントンDCでIMF・世界銀行の総会全体会合が開かれる。12日にエジプトのカイロでパレスチナ自治区ガザ地区の支援会議が開かれる。
アメリカ主要企業の決算は7~9月期の決算発表シーズン始動。7日はヤム・ブランズ、8日はアルコア、モンサント、コストコホールセールが発表する予定。
今週は10月のSQ週。9月のSQ週は円安など外部環境に助けられて「SQ週は下落する」というアノマリーを見事に覆し、下落すると警告した人は「狼少年」呼ばわりされた。だが前週、「やっぱり魔物がすんでいた10月の2日」を経て、1ヵ月前とは状況がガラリと一変している。やはり「先物売りにボロボロにされるSQ週」の復活には要警戒。警告通りにならなかった9月に「狼少年」と笑っていた者から先に、オオカミの餌食になる。
9月18日から9日間、ザラ場中でも一度も割り込んでいなかった16000円台を始値であっさり割り込んだ10月2日は今後、重要な日付になるかもしれない。終値ベースでは8月18日以来約1ヵ月半、一度も割り込まなかった25日移動平均線を割り込み、3日には一時、75日移動平均線にも接近した。これが本格的なトレンド転換なのか、それとも8月8日の「オバマ・ショック」の時のような一時的なものなのかはまだわからないが、今週が終わればそれをある程度、判断できそうな材料を提供してくれそうだ。「SQ週をしのいで上昇すれば一時的な凹み」「SQ週にさらに下落すれば10月は下向きトレンドが継続」である。
SQ週といえば水曜日、最近は火曜日も「荒れる」と言われている。3日発表のアメリカの雇用統計は市場予測を上回る良い数字が出てNYダウは200ドルを超える大幅高になりCME先物清算値は15910円まで上昇したので、6日はそれにさや寄せして大幅高で始まり、16000円に迫って、あるいはそれを超えて終えたとしても、7日、8日はどうなるか。今週の国内最大のイベントは日銀の金融政策決定会合で7日の正午頃に結果が出る。そこである程度の失望感がマーケットにもたらされるとすると、日銀会合で変に盛り上がった「イベントドリブン勢力」がオオカミと化して後場、先物売りに出ることだろう。
国内の経済指標は、7日発表の景気動向指数はまだいいとして、8日発表の景気ウォッチャー調査はなかなかのくせ者。「気分次第のセンチメント指数」だから、電話で調査しているというアンケートの回答者が、なかなか立ち直れない消費増税後の反動減や、安倍内閣の経済政策に不満をぶちまけているかもしれない。また、8日には中国の上海市場が国慶節休暇明けで再開するというのも怖い要素。その間に香港の中心部で民主化勢力の騒乱が続いてハンセン指数が下落したら、上海も1週間ぶりに大幅下落で再開して8日前場の日経平均にも影響が出るかもしれない。
さらに、地政学的リスクの再燃などで為替が円高方向に振れる事態が起きたりすると、「荒れるSQ週の火曜日、水曜日」は今週、先物売りでボロボロ下げて非常に厳しい事態に陥る可能性がある。そうでなくても2日に日経平均が、「GPIFの買い、日銀のETF買い入れ、個人の押し目買い」という株価下支え三点セットをこなごなに粉砕して420円安の大幅安を喫したこと自体、オプション取引の需給関係に微妙に影響していることも考えられる。それは、直前の約1カ月間はおおむね好調だった9月のメジャーSQ前とは大きく違う点である。だからこそ今週のSQ週は要警戒だと言える。