ドイツ、ケルンで9月30日から10月5日まで開催された見本市「インターモト」においてスズキは海外販売向け二輪車を、計6車種発表した。今回、同社は人気シリーズであるGSXの新作「GSXS1000/ABS」を筆頭にしたラインナップで世界へ存在をアピールした。
ドイツ、ケルンで9月30日から10月5日まで開催された見本市「インターモト」においてスズキ<7269>は海外販売向け二輪車を、計6車種発表した。今回、同社は人気シリーズであるGSXの新作「GSXS1000/ABS」を筆頭にしたラインナップで世界へ存在をアピールした。「GSX-S1000/ABS」はモデル名にもあるとおりアンチロック・ブレーキ・システム(ABS)を採用しており、その他ほとんどの新作バイクにも搭載している。またこのバイクには前モデル「GSX-R1000」に搭載された直列4気筒エンジンを継承しており、中高回転時のパワーが期待される。この新型は国内での販売も予定しており、2015年3月から、またフルカウル版の「GSX-S1000F/ABS」は4月にスズキ豊川工場にて生産を開始するという。
今回スズキが発表した6車種は主に欧州、北米をターゲットに売り出される予定だ。また巨大な新市場とも言われているアフリカ大陸に本格進出したホンダも今回の見本市にニューモデルを出展しており、両社の経営方針の今後が期待される。
しかし、このような海外進出の裏側には国内販売台数の低迷がある。スズキは先日、愛知の豊川工場を閉鎖し2018年には静岡の浜松工場へと集約すると発表した。二輪車の国内需要の減少は年々目立つようになり、ホンダ<7267>やヤマハ<7951>なども海外へのビジネス拡大に力を入れている。海外需要としては、安価さが求められるアジア地域への市場がすでに出来上がっているため、海外工場の拡大が優先されているという現実もあるが、今回の国内工場集約は、国内生産の縮小を如実に物語っていると言えよう。
ただ今後、国内需要にどう対処していくかはスズキだけの問題ではない。このまま海外市場へシフトし続けていくのならば、当然国内市場は縮小していくばかりだ。「パイ分け」するような企業競争はパイがあれば出来るわけで、パイがなくなってしまえば新たに土壌を作り上げる他ない。国内市場に新たなバイク市場を作り上げることは、二輪産業全体にとっての課題である。(編集担当:久保田雄城)