ブリヂストン<5108>は省エネ、CO2排出削減につながるタイヤの開発を評価され日本経済新聞社「日経地球環境技術賞・優秀賞」を受賞。売買代金12位に入ったが101.5円安で年初来安値更新。それ以外の優秀賞は、NOX排出量が小さいディーゼルエンジンを開発したマツダ<7261>は53円安。東洋エンジニアリング<6330>は前場に年初来高値を更新しながら5円安。中国塗料<4617>は値動きなし。他に東北大学大学院環境科学研究科、東京都下水道局も受賞した。
エボラ出血熱関連は一転して利益確定売りラッシュ。富士フイルムHD<4901>も例外ではなく売買代金5位でも205円安と5.9%も下落した。日本エアーテック<6291>は172円安で値下がり率2位。アステラス製薬<4503>が45.5円安、中外製薬<4519>が160円安、エーザイ<4523>が111.5円安などディフェンシブ系ながら医薬品セクターは悪く業種別最下位に沈んだ。ドラッグストアのゲンキー<2772>は7~9月期(第1四半期)決算が大幅増益で190円高。総合メディカル<4775>は4~9月中間期決算を発表し、純利益が9%減で235円安と売り込まれた。
JR東海<9022>は、後場開始直後に太田国土交通大臣がリニア中央新幹線の品川・名古屋間の建設着工許可を出したが180円安。トンネルなど土木工事の需要が見込める日本コンベア<6375>は39円高で値上がり率1位。熊谷組<1861>は売買高10位で4円高。三井住友建設<1821>は売買高4位で1円高。大和小田急建設<1834>は35円高で値上がり率7位に入った。大和ハウス工業<1925>は首都圏、関西圏で老朽化したマンションの建て替え事業を始めると報じられ前場は高かったが地合いに押し流され22円安。クレーンのタダノ<6395>は4~9月期の売上高が国内も海外も計画を上回り、3月期の通期営業利益見通しを230億円から258億円に上方修正し50円高だった。
業種別騰落率2位でプラスだったのが海運で、日本郵船<9101>は売買高6位で3円高、商船三井<9104>は売買高13位で2円高。川崎汽船<9107>は値動きなし。リクルートHDはマーケットの乱気流に巻き込まれることなく後場は順調に高度を上げて終盤3600円まで上昇し、上場2日目の終値は215円高の3545円で値上がり率3位。売買代金2位。時価総額は2兆円を超えてソニーや伊藤忠商事<8001>といい勝負。初値は地味でもその後は公開価格を一度も割り込まなかった大型上場のケースとしては、公開価格が同じ3100円で初値が20円高いだけだった2013年7月上場のサントリー食品<2587>がある。同銘柄は1年以上かけて今年8月22日に4065円まで上昇したが、リクルートHDはもっと早くそれを上回れるか?
新興市場は日経ジャスダック平均は0.66%下落したが東証マザーズ指数は0.73%上昇。ミクシィ<2121>は元気に反発して440円高。新規上場以来8日続伸で今週14日にピークをつけたFFRI<3692>は350円安で3日続落。ユーグレナ<2931>は武田薬品<4502>と新製品開発の包括的契約を締結して78円高だったが、武田薬品は87.5円安で年初来安値を更新してしまった。
この日の主役はエネルギー関連。原油先物価格の下げ止まりを受けて国際石油開発帝石<1605>は59円高で実に12日ぶりの反発。4.76%上昇し値上がり率12位に入った。経済産業省が再生可能エネルギーの受け入れ拡大策を検討すると伝えられ、九州電力<9508>ではそのうち太陽光や風力に比べ発電量の変動が小さい水力発電、地熱発電は受け入れを再開すると報じられて12円高。これでソーラーはますます「太陽はひとりぼっち」。薩摩川内市が28日をメドに市長と市議会が川内原発再稼働に同意確実というニュースもあったが、この話は原発の再稼働とバーター(交換条件)にするようなものなのか?
火力発電では、Jパワー<9513>は大阪ガス<9532>、宇部興産<4208>と組み、2000~3000億円を投資して山口県宇部市に合計120万キロワット級の大型石炭火力発電所を建設する方針と報じられ、終盤までプラスだったが15円安。西日本の電力会社には発電出力が小さい上に老朽化した原発が多く再稼働が厳しいので、その代替として期待される。大阪ガスは4.2円安、遊休地を提供する宇部興産は4~9月中間期と3月期通期の業績見通しを下方修正し、通期の純利益が1%減益見通しなので3円安で年初来安値を更新した。東京ガス<9531>は首都圏で家庭向け電力販売に参入しシェア1割を目指すと報じられたが4.6円安。関西電力<9503>は4~9月中間期の営業利益が黒字転換する見通しで26.8円高。北海道電力<9509>は大和証券が目標株価を引き上げ37円高で値上がり率13位。電力・ガスは4業種しかないプラスのセクターに入っていた。(編集担当:寺尾淳)