【今週の振返り】三連休明けでもSQ明けでも768円下落した週

2014年10月18日 20:26

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「バイオハザード」「ヒンデンブルグ」「オーメン」「ブラックスワン」……全米が震えた!パニック、ホラー、サスペンスのNYダウ6日続落にお付き合い。

 前週末10日のNYダウは買い直されプラスの時間帯もあったが結局115ドル安と続落し2ヵ月ぶりの安値。NASDAQ総合指数は102ポイントの大幅下落。ハイテク株全般に売りがひろがった。週明け13日のNYダウは30種全て下落し223ドルの大幅安で3日続落。NASDAQ総合指数は62ポイント下落した。世界経済の先行きや主要企業決算への懸念、さらにエボラ出血熱の報道も加わってリスクオフがマーケットをおおい、「コロンバス・デー」の薄商いで上昇の手がかりも欠き終盤はズルズル下げる一方。これが9月23日に条件が揃ったという「ヒンデンブルグ・オーメン」の呪いなのか? 14日朝方の為替レートはドル円が107円台前半、ユーロ円が136円台前半で、3連休の間に円高に振れドル円は一時106円台だった。

 ノーベル平和賞は女性や子どもの権利を訴えるパキスタンのマララ・ユスフザイさんとインドのカイラシュ・サトヤルティさん、ノーベル経済学賞はフランスのジャン・ティロール氏(ツールーズ第1大学教授)が受賞した。これでノーベル賞ウィークは終了。

 中国の9月の貿易収支は15.3%増で8月の9.4%増も市場予測も上回ったが、中国の新車販売台数は8月の4%増から2.5%増に減速。取引時間前に9月の国内企業物価指数が発表され、3.5%増で市場予測の3.6%とほぼ同じ。台風一過の日経平均は263.68円安の15036.87円と大幅に5日続落で始まる。TOPIXは1221.11でスタート。大台割れで始まった日経平均先物に導かれ午前9時3分に15000円を割り込むのは8月11日以来約2ヵ月ぶり。TOPIXも1220を割る。9時18分に日経平均は14939円、TOPIXは1212.42の安値をつけるが、そこから徐々に戻し10時20分すぎに15000円の大台に安定的に乗せ、TOPIXも1220台に戻した。香港では騒乱おさまらずハンセン指数は下落したが上海総合指数は上昇。日経平均は15000円を割ることなく11時台は11時23分に15089円まで上昇し、前引けは15079円だった。

 後場はやや安く再開するが、日経平均は、15000円の大台、TOPIXは1220を超える水準をしっかりキープ。為替のドル円は107円台前半で安定するが上値は追えない。しかし2時前に日経平均は15000円、TOPIXは1200を割り込む。ドンと下げるのではなく徐々に静かに下がっていくパターン。2時30分を回ると下げ足を早め、2時38分にこの日の安値の14919円をつける。9月25日の年初来高値から12日で約1400円も下げたので「追証発生がらみの投げ売り」という言葉まで聞かれる始末。終盤は少し戻しても15000円台回復はならず、終値は364.04円安の14936.51円で5日続落した。「オバマショック」の8月8日以来の終値15000円割れ。日中値幅は170円あった。TOPIXは-28.82の1214.27。売買高は27億株、売買代金は2兆6864億円だった。

 全業種マイナス。下落幅が小さい業種は水産・農林、鉱業、小売、繊維、食料品、鉄鋼など。下落幅が大きい業種は空運、精密機器、輸送用機器、不動産、証券、陸運などだった。

 14日のNYダウはシティGの好決算を受けて140ドル高を超える時間帯もあったが、終盤マイナスまで下げ5.88ドル安で4日続落。4日間で678ドルも下落し4月15日以来約半年ぶりの安値になった。一方、NASDAQは13ポイント上昇し4日ぶり反発。下落の要因はインテルの決算懸念だったが増収増益で市場予測を上回っている。15日朝方の為替レートはドル円は107円台前半、ユーロ円は135円台半ばで、ユーロが安くなっていた。

 日経平均は73.24円高の15009.75円と15000円台を回復して始まるが、すぐに大台割れ。TOPIXも1220を回復できない。午前9時台はプラス圏ながら大台を回復しては割れ、回復しては割れのもみあいで反発は弱々しい。好決算のインテルが時間外取引で上昇しても東京市場への影響は限定的。10時台になると為替のドル円が円高方向に振れて大台には戻れなくなり時々マイナスにもタッチする有様。香港市場はマイナスで始まり、上海市場もプラスで始まるもののすぐにマイナス圏に下落した。11時台も状況は変わらず、前場終了直前に14916円の安値をつけて前引けは14917円だった。

 ところが、昼休みに日経平均先物がにわかに上昇し、後場はプラス圏に浮上して14958円で再開する。午後0時台のうちに15000円の大台を回復。ドル円は正午で折り返して円安方向に向かい、1時台は徐々に上昇して15050円をオーバーする。その後に少し凹んでも大台は割らない。TOPIXも1220台に乗せた。終盤は先物にまとまった買いが入って尻上がりに上昇し、2時50分に15084円の高値をつける。終値は137.01円高の15073.52円で6日ぶりに反発し2日ぶりに15000円台を回復したが、ザラ場で200日移動平均線(15121円)を超えられず自律反発と言うには物足りなかった。日中値幅は168円。TOPIXは+9.40の1223.67。売買高は22億株、売買代金は2兆1030億円で大台乗せが続く。

 プラスセクター上位は空運、ゴム製品、精密機器、建設、機械、電気機器など。下位は繊維、水産・農林など。マイナスのセクターは鉱業、その他金融、石油・石炭、その他製品、卸売だった。

 15日のNYダウは173ドル安で5日続落。一時は460ドル安まで下げ、噂のカタストロフ「ヒンデンブルグ号大爆発」がついに来たかと思わせた。NASDAQは11ポイント下落。要因は経済統計で、8ヵ月ぶりに減少した小売売上高はウォルマートの通期業績の下方修正とともに「個人消費王国アメリカ」の黄昏を思わせ、13ヵ月ぶりにマイナスに転じた卸売物価も追い討ちをかけて景気の先行きに悲観的な見方がひろがる。ゴールドマンサックスは2014年後半のGDP予想を下方修正した。終盤買い戻されたものの5日で約850ドルも下げて疾風怒濤。16日朝方の為替レートは一時105円台前半まで円高が進んだドル円は106円近辺で、ユーロ円は135円台後半と、リスクオフで日本円が買われていた。