民主党の枝野幸男幹事長は派遣労働者との意見交換会で「28日から派遣法改正案の審議が始まる。生涯派遣で低賃金、厳しい労働環境での働き方がますます増えてしまう大変問題のある法案だ」と語り「国会の審議で問題点を明らかし、成立阻止につなげたい」とした。また、派遣社員6年あまり経験の技術職男性は「危険な薬品などは派遣社員が取り扱う」と語った。
意見交換会で党非正規雇用・ワーキングプア対策本部の山井和則事務総長は派遣法改正案について「衆院厚生労働委員会での実質審議は31日からと思っているが、与党からは既に『11月上旬に採決したい』という話が来ている。ありえない話」と与党の姿勢を強く批判。「安倍総理や塩崎厚労大臣は派遣労働者の実態を知らないのではないか」と提起した。
大手精密機器メーカーで約5年半、孫会社派遣社員で働き、その後、直接雇用契約社員で働いたが、今年3月の減産で雇い止めになった男性は「正社員と同等かそれ以上の技術職だが、賃金は正社員の半分以下」と語るとともに「曝露すると危険な薬品などは派遣社員が取り扱う。女性派遣社員へのセクハラも目の当たりにした。非正規雇用での恋愛や結婚、出産はありえないと感じている」と同一労働同一賃金からかけ離れた派遣労働者の現況が示された。
山井事務総長は「非常に深刻な問題。賃金などの均等待遇以前の問題として、差別的取り扱いが当たり前になっている。このような状況が拡大していくのは非常に危険だ」と派遣社員の問題点の深堀の必要を示した。(編集担当:森高龍二)