日銀は前日に380億円分のETFを買い入れたと発表した。それ以前は147億円だったので「日銀砲」の威力2.58倍にパワーアップ。日経平均は56.14円高の16993.46円で始まり、TOPIXもプラスで1370台でスタート。日経平均は1分もたたないうちに17000円にタッチするが午前9時5分には16962円まで下げ、それを底に17000円に安定的に乗せる。9時23分に17045円まで上昇し、9時50分頃までおおむね17010~17040円の狭いレンジで小動きするが、その後は17000円を割って10時すぎに16960円近辺まで下げる。それでもリバウンドして10時30分までに17000円台を回復した。上海市場も香港市場もプラスで始まる。しかし17040円付近まで2回上昇してもそこで頭を抑えられ高値を更新できない。11時台は17000円を割り込み前引けは16996円だった。
後場はドル円が115円台に定着したこともあり17000円台を回復して再開。ユーロ円も144円台に乗せ、午後0時45分に17045円の高値をつける。その後は17010~17040円のレンジで小動きするかと思えば、TOPIXから崩れて0時50分すぎから「ゲリラ急落」勃発。17000円も前日終値も16900円も一気に陥落し1時ちょうどに16846円まで急落した。その後も乱高下しながら下落し1時13分に16725円の安値をつけ、30分足らずの間に320円も下げた。TOPIXは1353まで下落し、為替はドル円もユーロ円も円高方向に約1円振れ114円台、143円台に戻る。理由がわからないまま先物主導の裁定売りに利益確定売りがからみ、前場がプラスだったので「日銀砲」も沈黙して強烈な下げだった。
日経平均は16800円台を回復するがプラスまでは戻れずくすぶる。2時に内閣府から9月の景気動向指数速報値が発表され、一致指数は8月比1.4ポイント上昇の109.7、先行指数は1.2ポイント上昇の105.6でともに2ヵ月ぶりのプラスと悪くなかった。基調判断は据え置き。日経平均は発表直後に一時16800円を割るがすぐ元に戻る。2時台は16800円をはさんだ値動きで、終盤には下げ幅を圧縮する時間帯もあったがあっさり頭を抑えられ、終値は144.84円安の16792.48円で6日ぶりに反落した。日中値幅は320円。TOPIXは-15.41の1356.35。売買高は31億株、売買代金は3兆2452億円だった。
プラスは水産・農林、繊維。マイナスで下落幅が小さいのはゴム製品、輸送用機器、サービス、化学工業など。下落幅が大きいのは不動産、電気・ガス、その他金融、パルプ・紙、陸運、銀行などだった。
6日のNYダウは69ドル高で連日の史上最高値更新。NASDAQ総合指数は17ポイント上昇と反発した。注目のECB理事会は金融政策現状維持ながらドラギ総裁は記者会見で「非伝統的手段も使う」「事務方に準備を指示した」と追加金融緩和に意欲的な姿勢をみせた。年明けにもユーロ圏の国債買い入れか?と期待を集めヨーロッパ市場は堅調。雇用統計発表を前に新規失業保険申請件数は27.8万件で市場予測を超える改善をみせマーケットのムードを明るくした。7日朝方の為替レートはドル円が115円台前半、ユーロ円が142円台後半でユーロは安くなっていた。
日経平均は141.56円高の16934.04円で始まる。TOPIXは1360台を回復して開始。午前9時40分頃までは16900円台を維持したが、その後は16800円台後半で伸び悩み9時48分に16858円まで下げる。上海はプラス、香港はマイナスで始まり、10時30分前後に16900円台に上昇するが取引開始直後の高値16938円は抜けられない。利益確定売りの金曜日にアメリカ雇用統計の発表待ちが加わって上値を追いにくい。10時台のうちに16800円台に戻って前引けは16865円。TOPIXは前場はずっと1360台だった。
後場は16850円を割り込み安値を取って再開し16824円まで下落したが、すぐに16800円台後半まで戻る。午後1時台の前半まで16840~16880円のレンジで動いたが、その後は一段高になり16900円前後の水準。その間、ドル円115円台半ばまで円安が進んでいた。それでも2時台は再び16850円近辺まで下落。終盤に少し上昇し終値は87.90円高の16880.38円と反発し3勝1敗、前週末10月31日終値から466.62円高、終値で17000円に届きそうで一度も届かなかった今週の取引を終えた。日中値幅は114円で今週最少。TOPIXは+7.32の1363.67で1360台のまま。売買高は24億株、売買代金は2兆4764億円で今週最少だった。
プラスのセクターの上位は電気・ガス、ガラス・土石、機械、パルプ・紙、卸売、サービスなど。マイナスのセクターの下位はその他製品、その他金融、保険、鉄鋼、情報・通信、水産・農林などだった。(編集担当:寺尾淳)