国内外で自社のエアバッグやチャイルドシートを搭載した自動車のリコール(回収・無償修理)が相次ぎ、業績を大きく落とすことになったタカタ<7312>だが、このリコール問題は長期化する様相を呈しており、まだまだ問題の収束には至っていないのが現状だ。このリコール問題がさらに長引けば、それだけタカタは業績を落とすこととなるだろう。自動車メーカーや自動車用安全部品を手がける会社にとって、リコールは会社の信用に関わる問題であると同時に、ドライバーの命を危険にさらすかもしれない重大な問題でもある。100%ミスのない自動車というものは、もしかしたら存在しないのかもしれないが、しかし、それを目指す責務が自動車メーカーなどにはあるのではないだろうか?
そうしたなか12日、トヨタ自動車<7203>がワゴン車「ハイエース」など7車種で、エンジンに燃料を送る部品の不具合により燃料漏れが起こる恐れがあるなどとして、計22万7892台(2010年7月~14年8月生産)を対象とするリコールを国土交通省に届け出たとの発表を行った。また海外の分を含めると、対象車数は約36万4000台にのぼるという。
リコールが発表された車種のうち、ディーゼル車「ハイエース」「レジアスエース」「ダイナ」「トヨエース」の4車種については、燃料噴射装置のパイプに亀裂が入り燃料が漏れる恐れがあるという。そして「カムリ」とダイハツ工業<7262>にOME(相手先ブランドによる生産)供給されている「アルティス」については、前輪と車体の接続部の円滑油が漏れて走行不能になる可能性があるという。そして「クラウン」は後部座席のシートベルトの巻き取り装置の不具合により、低温時にシートベルトが引き出せなくなる場合があるとのこと。
トヨタ自動車はこれらリコール対象車について、13日より全国の販売店で無料で修理に応じるとしている。
再び言うが、100%ミスのない自動車というものはないのかもしれないが、しかしそれを諦めることは、自動車メーカーとしての責任放棄とも言える。できる限り、安全な自動車がドライバーの元に届けられることを願うばかりである。(編集担当:滝川幸平)