12日のNYダウは前日終値付近のもみあいの末の2.70ドル安で7日ぶり反落。NASDAQは14ポイント上昇。13日朝方の為替レートはドル円は115円台半ば、ユーロ円は143円台後半で円高方向に戻っていた。
解散・総選挙は「12月14日投開票」という日程の話も出て与党主導で既成事実化が進行。自民党が円安対策を選挙公約にするという話、自民党経済産業部会が法人税の実効税率の3%程度の引き下げを党の税制調査会に要望する話も出ていた。
日経平均は5.05円安の17192.00円で始まる。TOPIXもマイナスでスタート。直後にTOPIXとともにプラスになり1分後に17210円まで上がるがつかの間で、午前9時17分には17100円を割り込み17099円の安値をつけるが、その直後からV字回復し9時台のうちにプラスまで戻って9時54分に17230円の高値をつけるという、序盤から上下に大きく振らされる展開。NYダウ小幅安、円高進行、解散・総選挙、消費増税先送り、法人減税、強弱入り交じる経済指標、GPIFや日銀の買い支え、要人発言など多くの要素が複雑にからみあう。10時台、前日終値をはさんだ小動きに収束し、ようやく落ち着いた。上海、香港は序盤プラス。10時台後半から日経平均は一段高となり10時55分に17255円まで上げた後は17250円近辺で動いて、前引けは17242円だった。
後場は再開直後からはね上がる。アッと言う間に17300円を突破し、午後0時44分に17365円まで上昇。前日の黒田日銀総裁の発言「追加緩和は消費増税が前提」に対し、午前中に菅官房長官が「消費増税は政府が判断すること」とコメントし、それが「消費増税先送りもありうる」と解釈された。一方、自民党の大島理森元幹事長は「解散決定とみていい」と発言。1時台前半は17300円台前半の水準を維持する。1時34分には17395円まで上昇。折り返し2時すぎに17300円付近まで下げるが、2時台は為替の円安進行を追い風に再び右肩上がりトレンドに変わった。
終盤は先物主導で上昇して17400円に接近し、2時56分に17400円にタッチ。途中、崩される気配もなかった。終値は195.74円高の17392.79円で3日続伸し終値ベースの年初来高値を更新した。日中値幅は301円と大きい。TOPIXは1390台に一時タッチして+12.46の1389.51。売買高は24億株、売買代金は2兆5665億円だった。
プラスセクター上位は水産・農林、倉庫、その他金融、保険、小売、化学など。下位は空運、機械、海運など。マイナスセクターは鉱業、金属製品、ガラス・土石、建設など。
13日のNYダウは40ドル高で2日ぶりに取引時間中も終値も史上最高値を更新。NASDAQ総合指数も5ポイント上昇した。14日朝方の為替レートはドル円が115円台後半、ユーロ円が144円台半ばで、前日よりも円安が進行していた。
新聞各紙では、2015年10月の消費税率10%への引き上げを延期し、1年半ずらして2017年4月に実施する案を軸に最終調整し来週、安倍首相が決断するという見方が強まっていた。「オプションSQ(マイナーSQ)」の日の日経平均は127.75円高の17520.54円と17500円台に乗せザラ場ベース年初来高値を更新して始まった。TOPIXも始値1401.17でザラ場ベースの年初来高値更新。「寄り天(寄り高)」で午前9時8分には17421円まで99円下落しSQ日らしい序盤乱高下。発表されたSQ値は17549.60円とかなり高い。
為替のドル円が9時16分に116円台に乗せたが、日経平均はSQ値が出た後しばらくして急落。9時34分にマイナスまで落ち17383円の安値をつける。乱高下はおさまらず、10時すぎに数分間で17440円付近と17400円割れのマイナス圏を往復したかと思えば、10時12分には17330円まで急落。ドル円は116円から滑り落ちていた。上海、香港がマイナスで始まった後の10時38分には17300円まで下げる。それでも11時までに値動きは17300円台前半に収束した。11時台は17350円付近まで上昇する時間帯もあり底堅く推移し、前引けは17330円だった。
前場がマイナスになったので日銀のETF買い期待をはらみながら後場再開。ドル円は再び116円台に乗り、日経平均は前引けより約50円高い水準で始まってTOPIXはプラス。しかし日経平均は前日終値を超えられずマイナス圏で推移し、17350円近辺でくすぶる。TOPIXも前日終値近辺で動かない。1時台はずっとそんな状況が続く。2時20分頃にはプラスになり17400円台に浮上するが、17420円台どまり。それでも終盤には為替の円安を味方に優勢になり17450円を超える。
17500円を目指す上昇は大引けまで続き、終値は98.04円高の17490.83円で4日続伸して終値ベースの年初来高値を更新した。2007年7月26日以来7年4ヵ月ぶりの水準。4勝1敗、7日終値の16880.38円から610.45円上昇して今週の取引を終えた。この日は最後までSQ値17549円を上回ることができず「まぼろしのSQ」が出現。日中値幅は220円。TOPIXは+10.90の1400.41で終値でも1400の大台に乗せた。売買高は29億株、売買代金は3兆3038億円。
プラスセクター上位は不動産、金属製品、精密機器、電気・ガス、空運、海運など。下位は食料品、情報・通信、銀行、機械、卸売など。マイナスは石油・石炭だった。(編集担当:寺尾淳)