当然語るべきこと、会見でなく民放で語った総理

2014年11月19日 22:02

 安倍晋三総理が早くも「前言撤回?前言修正?」。いや、本来18日の記者会見で語るべきことを同日の民放番組の中で語った。記者会見では消費税引き上げの18か月先送りを表明した際に「(2017年4月の引き上げ実施を再び)再延期することはない」としていたのだが、安倍総理は、同日夜のTBSニュース番組「ニュース23」で「リーマンショックとか世界的な大経済緊縮状況、大変な天変地異などがあれば、国会で議論し、法律を改正し、再度、延期することもあり得る」と早くも修正ともとれる発言をした。

 維新の党の江田憲司共同代表は「再延期することはない」と断言したこと自体に「総理は『経済は生き物』といいながら、どうしてその時の状況が増税に耐えうる体力になっていると断言できるのか、全く矛盾している」と問題指摘していた。

 いわば、安倍総理自ら、その矛盾を認識したのか、さきの記者会見でいうべきことを忘れていたのか、あるいは現実路線に修正する必要を感じたのか、いずれにせよ、ニュース23で語ったことは、ある種、消費税引き上げの判断においては当然の内容だった。

 民主党の枝野幸男幹事長は「そもそも景気条項はリーマンショックや震災などが起こった場合を考えて民主・自民・公明の3党合意で入れた条項で、そのような考えであるならば景気条項を外す理由はまったくない。(記者会見では)意味のないことを気合や精神論で『外す』と言ったのか、そもそも景気条項の意味を知らずに『外す』と言って慌てて修正したのか」との受け止めを示した。(編集担当:森高龍二)