【日経平均】円高にTOPIXリバランスも凶と出て135円安

2014年11月27日 20:17

 26日のNYダウは12ドル高と反発し終値史上最高値更新。NASDAQは29ポイント上昇し5日続伸した。感謝祭前日に加えて東海岸は寒波襲来で薄商い。新規失業保険申請件数もシカゴ購買部協会景気指数もミシガン大学消費者信頼感指数も市場予測より悪かったが、直前に迫った年末商戦期待に支えられプラスで終えた。ファイザー2.1%上昇、インテル1.6%上昇、ベライゾン1.4%上昇など医薬品株やハイテク・通信系は良かったが、NY原油先物が続落し2010年9月下旬以来の安値になってエクソンモービルは0.3%下落、シェブロンは0.9%下落などエネルギー株は軟調だった。27日朝方の為替レートはドル円が117円後半、ユーロ円が147円台前半で、ドル円はやや円高に振れていた。

 CME先物清算値は17340円。日経平均は73.09円安の17310.49円で始まる。TOPIXもマイナスでスタート。前場は値動きが乏しく、安値の17303円も高値の17346円も午前9時台のうちにつけ、43円の小さい値幅で動く。前日終値時点の騰落レシオは134で依然「買われすぎ」の120をオーバーし高値警戒感でプラスになれなくても、マイナスになると前日に日銀がETFを買い入れなくても「GPIF、個人、日銀」の買い支え期待で自然に底堅くなる。アメリカの感謝祭前やOPEC総会待ちの動きづらさもある模様。上海総合指数は6日続伸、香港ハンセン指数は2日続伸で始まり、中国政府が2015年の経済成長率目標を7.5%前後から7.0%前後に引き下げても、上海・香港両市場の相互乗り入れと中国人民銀行の利下げの効果は続いている。アジアでは東京市場だけが前日比マイナスに取り残され、前引けは17333円だった。

 正午頃から為替の円高が進行し、後場は様相が一変する。日経平均は前引けに近い水準で再開するが、午後0時台のうちに17300円も17250円も割り込み、0時57分に17212円まで下落。「きのう、前場マイナスでも日銀砲が撃たれず、日銀はマーケットを裏切った」という事実はやはり重たいのか? 持ち直して1時台後半から17250円を少し超える水準で推移。2時30分頃からはこの日の大引けでTOPIXの指標組入比率のリバランスが実施される期待か上昇が始まり17300円にタッチするが、そこまで。終盤は大きく下落し17250円も割り込んでTOPIXリバランスの効果は「凶」と出て、終値は135.08円安の17248.50円で続落した。この日、380億円の「日銀砲」が発射されたが、撃たなかった前日よりも日経平均の下落幅がずっと大きいという何とも皮肉な結果になった。日中値幅は134円。TOPIXは-14.50と日経平均よりも大きく下げて1391.90で終えた。売買高は20億株、売買代金は2兆1444億円で、最近にしては商いが少なかった。

 値上がり銘柄は414、値下がり銘柄は1309で全体の71%を占めた。全33セクターがマイナスで、下落幅が小さいのは海運、電気機器、石油・石炭、金属製品、小売、精密機器など。下落幅が大きいのは鉱業、電気・ガス、不動産、保険、陸運、パルプ・紙などだった。

 日経平均採用225種は値上がり22銘柄、値下がり194銘柄。プラス寄与度1位は東京エレクトロン<8035>で+8円、2位はアルプス電気<6770>で+4円。マイナス寄与度1位はソフトバンク<9984>で-12円、2位はホンダ<7267>で-9円だった。

 時価総額が巨額なメガバンクはTOPIXリバランスの影響を受け、みずほ<8411>は2.3円安で安値引け、三菱UFJ<8306>も8.4円安で安値引け、三井住友FG<8316>は61.5円安だった。野村HD<8604>は8.1円安で終えた。トヨタ<7203>は33円安、マツダ<7261>は75円安、富士重工<7270>は127.5円安と自動車大手は軒並み安。話が悪いほうに転がる一方のタカタ<7312>は、国土交通省がリコール対象以外にも不具合があったと指摘。追加費用の発生懸念とどまるところを知らず、「売られすぎ」で買い戻された時間帯もあったが65円安で値下がり率9位。ホンダも121円安になり、厄病神にとりつかれたようなタカタと「一蓮托生」の様相まで呈してきた。

 電機大手はパナソニック<6752>は6円高で連日の年初来高値更新、東芝<6502>は5.2円高でプラスだったが、ソニー<6758>は48.5円安、シャープ<6753>は7円安。半導体関連の東京エレクトロンとアルプス電気の株価を押し上げたのは、アメリカの半導体市況を示すSOX指数が改善しインテル株が1.6%も上昇したこと。東京エレクトロンは211円高、アルプス電気は114円高で、ともに年初来高値を更新していた。

 中国政府が成長率目標を下げたので中国関連銘柄は軟調。おなじみのダイキン<6367>は29円安、コマツ<6301>は3.5円安、日立建機<6305>は48円安。現在のコマツの中国での売上は全世界の7%程度まで減ったが、イメージはなかなか払拭できない。一方、営業支援システムを日中両国で展開するソフトブレーン<4779>は、中国政府が製造業に代わり付加価値の高いビジネスを成長させる考えを表明し、その重点分野としてソフトウエアやITサービスを位置づけるという見方で前場急騰し45円高で値上がり率1位になった。同社の創業者は宋文洲氏でチャイナ・コネクションは強力。

 大津地裁が高浜、大飯両原発の再稼働差し止めを求める仮処分申請を却下したが関西電力<9503>は36.5円安。代わりに上昇したのは火力、原子力発電所の保守やメンテナンスを行う東京エネシス<1945>で、47円高で年初来高値を更新し値上がり率11位。