旭化成<3407>はUBSが目標株価を引き上げ27.5円高で5日続伸し年初来高値更新。原料安だけでなく医療機器事業が海外で好調なことも評価されている。売買代金10位と買われたエーザイ<4523>は228円高で年初来高値更新。前日はM&Aが「高い買い物ではないか?」と疑念を持たれた大塚HD<4578>は3円高と反発した。日本水産<1332>はSMBC日興証券がレーティングを引き下げ24円安で値下がり率3位。
「無印良品」の良品計画<7453>は3~11月期について経常利益が1割強増えて200億円前後、3年連続過去最高益という業績観測が出て130円高で3日続伸。「MUJI」は中国などアジアで好調に業績を伸ばしている。ドラッグストアのゲンキー<2772>は640円安で値下がり率1位と元気がない。前日、LCCならぬLCR(ローコストラーメン)チェーンの両雄、幸楽苑<7554>とハイディ日高<7611>が11月の既存店売上高を発表した。幸楽苑は0.7%増で14ヵ月連続プラスを維持し4円高。一方、ハイデイ日高は0.3%減で5ヵ月ぶりのマイナスになり275円安で値下がり率2位。幸楽苑は290円ラーメンの販売を中止すると発表したがハイデイ日高は最低価格390円を維持している。
不動産セクターは軟調で33業種別騰落率32位。三井不動産は43.5円安、三菱地所<8802>は売買代金14位で40円安、住友不動産<8830>は29円安、ケネディクス<4321>は売買高8位で8円安。不動産情報検索サイト「ホームズ」を運営するネクスト<2120>はストップ高の150円高で値上がり率2位。1日に世界最大級のアグリゲーションサイトを運営するトロビット社の買収、完全子会社化を発表していたが、のれん代の償却額が5~6億円程度と確定して負担は大きすぎないと判断されて買われた。
タカラトミー<7867>は2007年以来のアメリカの投資ファンドTPGとの資本・業務提携を解消。11日までにTPGの保有株を全て買い取ると発表し37円高で年初来高値を更新し値上がり率12位。投資ファンドのエグジットによる大量売りが出るという潜在的な懸念から解放される。マーベラス<7844>は前場48円高まで上昇して年初来高値を更新したかと思えば後場137円安まで下落し終値は115円安で値下がり率4位という忙しい一日。サーカスの曲芸のように値動きが軽いからこそ、デイトレーダーを中心に売買高4位、売買代金1位と売買が集中する。
新興市場は日経ジャスダック平均は0.28%下落、東証マザーズ指数は1.53%下落したが、東証2部指数は0.66%上昇で13連騰。東証1部への指定替え銘柄が相次いだため。マサチューセッツ工科大学から取得した「自己組織化ペプチド技術」を応用した医療製品の開発を手がける3Dマトリックス<7777>は、「修飾を組み込んだ自己集合ペプチドおよびそれを使用する方法」についてアメリカで特許が成立したと発表し265円高。創薬ベンチャーのそーせいG<4565>は、創製してノバルティス・ファーマに導出した「グリコピロニウム臭化物」を含有する吸入気管支拡張剤「ウルティブロ」が英国で発売された材料があり20円高。薬が市場に出回ってようやく投資を回収できる。セレス<3696>は12月31日時点の株主を対象に1対2の株式分割を実施すると発表。同時にソリューション事業などを手がけるユニメディアと業務提携すると発表して108円高だった。
この日の主役は証券セクター。アベノミクス相場の恩恵を受ける業種なので「与党300議席」の選挙情勢報道に好反応し、大手の野村HD<8604>は8.3円高、大和証券G<8601>は9.1円高。ネット証券の松井証券<8628>は20円高、マネックスG<8698>は9円高、カブドットコム証券<8703>は16円高で年初来高値更新。中堅では光世証券<8617>が15円高で値上がり率11位、岩井コスモHD<8707>が71円高で同13位、水戸証券<8622>が23円高、いちよし証券<8624>が47円高。新興市場も藍沢証券<8708>が32円高、丸八証券<8700>が12円高。日経新聞では金融商品の売買が活発になり売買手数料収入が増えるだけでなく、ボーナス月の12月は個人投資家が今年のNISA枠を使い切りたいニーズが出るという見方、11日から26日まで28銘柄が続々新規上場するIPOラッシュで引受部門の収入増が望めるという見方が紹介されていた。(編集担当:寺尾淳)