日本経済団体連合会の榊原定征会長は四国での地域経済懇談会で当面のエネルギー政策について「原発再稼働プロセスの加速が最重要課題」と改めて加速する必要を語った。
榊原会長は「再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度の抜本的見直し」も「最重要課題」とした。
榊原会長は中長期エネルギー政策についても「安全性の確保を大前提にエネルギー安全保障、経済性、環境適合性の適切なバランスをとることが必要」とし、原発を重要なロードベース電源と位置付ける政府・自民党と認識を共有している。前政権の民主党は「2030年代原発ゼロをめざす」としていたことから、安倍政権でその方向が大きく変わった。榊原会長は政府の財政・経済諮問会議の民間議員でもある。
原発再稼働プロセスの加速については、経団連は今年10月、(1)原発停止が続けば電気料金がさらに上がることは不可避(2)安全性審査体制の強化などによる審査の効率性、審査内容の予見可能性向上、政府による防災対策の進展、再稼働の必要性の明確な説明などをあげ、加速が必要などと提言していた。
また、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度についても「固定価格買い取り制度により膨大な額の再生エネルギー賦課金、系統増強コストが発生する見込みなどとして、発電事業者のコストデータの調査方法の見直し(設備投資などに関する領収書提出の義務付け)、買い取り価格算定の半期ごとの改定、買い取り価格算定の適正化」などを提案していた。
経団連は「原子力を含め多様なエネルギー源を選択肢として持ち続けることが不可欠」と原発を将来においてもエネルギー源として位置付けている。(編集担当:森高龍二)