麻生太郎副総理の発言に批判が続いている。少子高齢化で社会保障費が増えていることに関連し「高齢者が悪いようなイメージを作っている人がいっぱいいるが、子どもを産まない方が問題だ。だから、みんなで少しずつ負担する以外に方法がない」と発言したもので、子どもを産まないからみんなで負担するほかないという風にとれる。
世耕弘成官房副長官は「少子化対策をしっかりやっていかなきゃならないという決意の現れた発言と思う」と擁護しているが、野党からは「驚いた。あまりにも現実が見えていない」など批判がでている。
民主党の枝野幸男幹事長は「昨日の発言(2年で株価は〔8000円台から〕1万7000円まで上がった。企業は大量の利益を出している。出してないのはよほど運が悪いか、経営者に能力がないかだとの発言)に続いてのことで、言葉尻の問題ではなく、中小企業の経営の現場の実態とか、若者が結婚や出産に関して置かれている境遇、環境などが見えていないことに驚いた。言葉そのものよりも、その認識が恐ろしい」と語った。
同じく民主党の蓮舫参院議員は「子どもを産みたくてもその判断ができない環境の方々らを支援するのが政治の役割。生まないほうが悪い。まだこんな発想なのか。財務大臣がこの考え方なら3党合意で約束した社会保障の充実が進むはずがない」と酷評。
社民党の吉田忠智党首は「女性の基本的権利に無頓着。政府・自民党の責任を棚に上げて子育て世代を一方的に悪者視する妄言」とした。経営者への発言についても「消費税増税による消費減や円安による原材料費、燃料費の高騰に苦しむ中小企業の経営を全く顧みない暴言」と批判した。
麻生副総理は「働くときに子供を預ける、保育をしてくれるところがない。そういった理由により、結果的に産まないことが問題」と子育てできる環境づくりが発言の意図だったと説明している。(編集担当:森高龍二)