工作機械のDMG森精機<6141>は、2015年度に約40億円を投資してアメリカでの工作機械生産を2014年度の2倍の約1000台に増やすと報じられたが47円安。営業サービス拠点も拡張する。東日本ハウス<1873>は前日に10月期本決算と今期の業績見通しを発表した。前10月期の業績は減収減益だが増配。今期は増収増益予想で28円高で値上がり率9位。
政府が2015年度中に全国100カ所の整備を目指し、水素ステーションの充填機と公道の間の距離などを決めている規制を緩和し設置コストを半減させると報じられ、岩谷産業<8088>は31円高。現在は兵庫県尼崎市と福岡県北九州市にあるステーションを大都市圏を中心に全国20ヵ所に拡大する。セブンイレブンが2015年度から「水素ステーション併設コンビニ」を開設すると伝わったがセブン&アイHD<3382>は48.5円安。三井物産<8031>は東アフリカのモザンビークで石炭資源開発と鉄道に1200億円を投資すると伝えられたが18円安。イオン<8267>は、マルハニチロ<1333>が養殖した完全養殖のクロマグロを2015年6月から全国のスーパー最大2000店で販売すると報じられたが7円安。マルハニチロは4円安。ニトリHD<9843>はJPモルガンがレーティングと目標株価を引き上げて50円高だった。
大幸薬品<4574>は74円高。「クレベリン」で空気中のインフルエンザウィルスを除去する「空気除菌」の新技術を開発と報じられた。家電メーカーと組んで空気清浄機に応用できる。ダイキン<6367>は181円安、シャープ<6753>は7円安だった。医薬品卸の東邦HD<8129>は約10年ぶりの約150億円分のユーロ円建て転換社債型新株予約権付社債(CB)の発行と、900万株、120億円上限の自社株買いを発表。CBで調達した資金との差額約30億円で借入金を返済するというファイナンスで64円高。クスリのアオキ<3398>は5月期の営業利益を6.9%減の54.91億円から15.8%増の68.3億円に上方修正し420円高で値上がり率5位。
三菱地所<8802>と三越伊勢丹HD<3099>は、名古屋駅前の大名古屋ビルの完成が2016年3月に延びると発表し三菱地所は42.5円安、三越伊勢丹HDは34円安。丹青社<9743>は2~10月期決算を発表し、売上高、営業利益が増えても最終減益を嫌気され102円安で値下がり率1位。同業の乃村工藝社<9716>も道連れにして52円安で同13位にさせていた。
ゲーム・コンテンツ関連では、マーベラス<7844>は売買高6位、売買代金2位に入り79円高で値上がり率15位と逆行高。グリー<3632>はgumi<3903>株の売却で7~12月中間期の純利益を100億円上方修正するが7円安。日本エンタープライズ<4829>は公募増資、第三者割当増資で12億6891万円を調達すると発表。最大で発行済株式数が7.4%増加する希薄化を嫌気され33円安で値下がり率2位だった。
新興市場の日経ジャスダック平均は0.31%下落したが東証マザーズ指数は0.43%上昇。マザーズのSHIFT<3697>とリアルワールド<3691>がクラウドソーシング分野で業務提携しSHIFTは770円高、リアルワールドは123円高。出前仲介サイト「出前館」を運営するジャスダックの夢の街創造委員会<2484>は東証1部のITHD<3626>傘下のインテックと資本・業務提携を締結。夢の街は58円高、ITHDは34円安だった。
この日の主役は、我が道を往くのをあきらめてアライアンスに生き残りをかけるスカイマーク<9204>。11月に浮上したJAL<9201>との提携は国土交通省が難色を示して宙に浮いたが、JALだけでなくANAHD<9202>にも支援を要請する方針を固めたと報じられた。国交省も共同支援、2社との羽田発着便の共同運航を支持。スカイマークはこの日、ANAHDへの「支援要請の検討をしていることは事実」というコメントを発表し売買高13位に入り40円高で値上がり率2位。JALは燃料費の下落で国際線の燃油サーチャージを最大50%下げるニュースもあったが100円安、ANAHDは5円安。スカイマークは単独でも共同でもどっちみち大手と手を結んで搭乗率を改善して収益立て直しのメドが立つわけで、晴れてひとりぼっちはやめた。羽田空港の発着枠を分けてあげる。(編集担当:寺尾淳)