【今週の振返り】外部要因に翻弄されて548円下落したSQ週

2014年12月14日 01:19

画像・東証取引時間延長を検討 背後に利害闘争が見え隠れ

タッグを組む日銀のまさかのタッチ拒否で、18030円から987円もの脳天逆落とし。それでも押し目買いの返し技は健在。

 10月の第三次産業活動指数は前月比0.2%減、10月の機械受注は前月比6.4%減で市場予測を大きく下回った。日経平均は232.09円安の17180.49円で始まる。TOPIXも大幅安で1400を割り込んでスタート。17200円台をすぐに回復したのも束の間、午前9時台前半のうちに17100円も割り込み、9時29分に17043円まで下落し17000円割れ寸前に。しかし9時台後半からは押し目買いのチャンスとみて個人投資家あたりの買い戻しが入り、傷を癒すかのように徐々に上昇。9時台のうちに17100円台、10時台に17200円を回復する。上海も香港もマイナスで始まるが日経平均は11時に17289円の高値をつけた。11月の東京都心部オフィス空室率は10月から0.05ポイント低下して5.55%で、アベノミクスのもとで改善は途切れない。11時台は為替のドル円も円安方向に戻して118円台になり、日経平均も17200円台で落ち着いて、前引けは17247円だった。

 後場は下げて17200円割れで再開するがすぐ17200円台に戻す。その後、下げ渋りで安定した基調は変わらないが17300円台に戻らないまま午後2時台まで経過する。終盤の大引け前に17300円に接近する時間帯があったが終値は155.18円安の17257.40円で3日続落した。この日も日銀砲は沈黙。日中値幅は246円。TOPIXは-9.79の1397.04で最後まで1400台に戻れず3日続落した。売買高は22億株、売買代金は2兆5128億円だった。

 プラスセクターは空運、陸運。マイナスセクターで下落幅が小さいのは保険、水産・農林、化学工業、海運など。下落幅が大きいのは鉄鋼、銀行、不動産、金属製品、医薬品、ガラス・土石などだった。

 11日のNYダウは63ドル高で4日ぶり反発。一時は225ドル高まで伸ばしたが終盤急落し終値では17600ドル台も回復できなかった。NASDAQ総合指数は24ポイント上昇。11月の小売売上高は0.7%増で3月以来の大きな伸び。新規失業保険申請件数も市場予測を超える改善で個人消費期待の買い戻しが活発に。しかし原油先物価格が1バレル59.95ドルと5年5ヵ月ぶりに60ドルを割り込むと終盤の指数を下げた。12日朝方の為替レートはドル円が119円近辺、ユーロ円が147円台半ばで前日よりも円安方向に戻していた。

 報道各社の総選挙の議席予測は「自民300議席、与党3分の2の317議席」の数字が並び、3ヵ月に1度の「メジャーSQ」の日の日経平均は60.29円高の17317.69円と反発で始まる。TOPIXはなぜかマイナス。開始直後に日経平均は17298円と17300円を割るが一瞬だけで、順調に値を伸ばす。TOPIXもプラスに転じる。午前9時3分に早々とSQ値がやや低めの17281.64円と出た。9時21分に17395円まで上昇しTOPIXは1400台を回復したがそこで頭を抑えられ、17400円を超えられない。ジリジリ17350円近くまで下げるが、10時を回ると唐突に上昇し10時10分に17400円タッチ。その後は17400円に接した値動きが続く。上海総合指数も香港ハンセン指数もプラスで始まる。日経平均も再び上昇し17400円も17450円も突破。10時59分には17497円と17500円に迫った。しかし11時台は17460円付近まで下落し、前引けは17474円だった。

 後場は前場とほぼ同水準で再開するが、午後0時53分に17500円を突破し17526円の高値をつける。しかし1時台は再び17400円台に後退し17400円台前半で安定的に推移。2時台は上昇して17500円をうかがう位置につけたが、水をかけたのが2時30分にまとめて発表された中国の経済指標。小売売上高、都市部固定資産投資、不動産開発投資はまだよかったが、11月の鉱工業生産指数が10月の7.7%増、市場予測の7.5%増より低い7.2%増にとどまり、景気減速感で上海も香港も一時マイナスになり乱高下した。それが東京市場に波及し、利益確定売りの金曜日でもあり終盤の日経平均は17400円も17384円の25日移動平均も割り込んだ。終値は114.18円高の17371.58円で4日ぶりに反発し、2勝3敗、前週末5日終値から548.87円下落して今週の取引を終えた。

 衆議院が解散した11月21日の終値17357円を上回り、過去14回で13勝1敗の「総選挙アノマリー」は今回も健在。しかし新聞の予想が「与党圧勝」でも結果を見きわめたいムードは残り解散日から14円高いだけだった。日経平均はSQ値を一度も下回らず「まぼろしのSQ」出現。SQ値17281円は今後、下値のサポートラインになってくれるはず。今週は8日最高値18030円から11日最安値17043円まで987円も変動したが、12日の高値では「半値戻し」17537円にあと11円まで迫っていた。日中値幅は228円。TOPIXは+2.61の1399.65で4日ぶりに反発しても1400の大台を回復できず。売買高は31億株、売買代金は3兆6314億円で、メジャーSQの日にしては少ない部類に入る。

 プラスセクターの上位は電気・ガス、建設、精密機器、電気機器、サービス、保険など。マイナスセクターの下位はパルプ・紙、その他金融、石油・石炭、卸売、その他製造、水産・農林などだった。(編集担当:寺尾淳)