円安の影響を受けた関連倒産は全国各地で増加傾向にある。14年2月3日の円相場は一時 1ドル=119円台半ばまで円安が進み、120円の大台突破も目前となった。この間、食料品、非鉄・貴金属、建設資材等が円安の影響等で高騰を続けており、価格転嫁が難しい中小企業の収益を圧迫している。すでに多くの企業がギリギリの経営を続けており、これまで景気回復を下支えしてきたこれら内需型の中小・零細企業への影響拡大が特に懸念される。
株式会社帝国データバンク(TDB)の調査によると、14年11月の「円安関連倒産」は42件判明し、前年同月比 133.3%増となり、2013年1月の集計開始以降で最多を更新したという。
月間最多となるのは、9月(31件)、10月(39件)に続いて3カ月連続となった。また、2014年1~11月の累計は 301件にのぼっており、前年同期(110 件)に比べて 173.6%の大幅増加となった。
地域別に見ると、2014 年1~11月の累計は「関東」が 98件(構成比 32.6%)で最も多く、運輸業や繊維製品卸、内装工事を中心に、全体の3割強を占めた。以下、「近畿」(55件、構成比18.3%)、「中部」(42 件、同14.0%)が続き、「関東」と同様の業種が目立つ。このほか、「九州」(28 件、同 9.3%)では漁業・養殖業、「北海道」(25件、同 8.3%)では食料品製造や卸が目立った。都道府県別に見ても、山梨、鳥取、宮崎の 3県を除く全国44都道府県で判明しており、円安の影響は全国各地に広がっているとしている。
業種別に見ると、2014年1~11月の累計は「運輸・通信業」が86件(構成比28.6%)で最も多く、以下、「卸売業」(68件、構成比22.6%)、「製造業」(58件、同19.3%)、「建設業」(42件、同14.0%)などが続いた。前年同期比の増減率で見ると、「小売業」(23件、構成7.6%)の増加率が突出しており、前年同期の1件から大きく件数を増やした。
また、業種細分類別に見ると、2013 年以降の累計では「運輸業」(156件、構成比36.2%)が最も多い。以下、「繊維・衣服・繊維製品卸売業」(29件、同6.7%)、「食料品・飼料・飲料製造業」(27件、同 6.3%)の順となっており、件数上位の業種を見ると、繊維・アパレル、各種食料品、農業・漁業関連が目立つ。既存のAbl阻害薬を用いて浸潤、転移の予防を目指す補助化学療法が可能になることを示唆しているとしている。
倒産減少局面は続いているものの、足元の倒産減少はあくまで金融機関による借入金の元本返済猶予や返済条件の変更、いわゆる「金融円滑法=リスケ」などの効果が継続しているためであり、多くの中小企業の業績回復は道半ばの状態であるのだ。こうしたなかでの円安の影響等による原材料の高騰は、ギリギリの経営を続ける多くの中小・零細企業に“最後の追い打ち”をかけることになりかねない。(編集担当:慶尾六郎)