【日経平均】ギリシャ不安で279円安のボロボロの大納会

2014年12月30日 17:26

 装置事業が今期、4期ぶりの黒字に転換する見通しの日本マイクロニクス<6871>は50円高。精密機器セクターは業種別騰落率最下位。ヨーロッパでの売上シェアが高い銘柄が多いためで、ギリシャ不安の影響をもろに受けた。オリンパス<7733>は100円安、キヤノン<7751>は49.5円安、HOYA<7741>は107円安と揃って大幅安だった。JPX日経400の公表が始まった2014年、最も注目された経営指標は「ROE(自己資本利益率)」だった。その予想改善率が上位と報じられたブラザー工業<6448>は47円安、カシオ計算機<6952>は45円安。こうした銘柄には関係ないが、「ROEなんて借入金を増やして財務レバレッジをかければ一発で改善する。『ROE経営』という言葉自体、矛盾に満ちている」という警告は完全に無視されている。このままでいいのだろうか?

 旭硝子<5201>は北米の商業ビル向け建築ガラス事業を他社に譲渡して撤退すると報じられ、不採算事業のリストラ好感で1円高。この日からTOPIX構成銘柄に組み入れられたOCHIHD<3166>と一正蒲鉾<2904>は、リバランス買いの翌日は下落するのがふつうだが組み入れ後も上昇が続きOCHIHDは一時ストップ高の380円高で値上がり率1位、一正蒲鉾は一時ストップ高の398円高で同2位。どちらも年初来高値を更新した。

 大手百貨店の年末商戦は時計や貴金属が堅調で前年比プラスと報じられたが、三越伊勢丹HD<3099>は14円安、Jフロントリテイリング<3086>は値動きなし、高島屋<8233>は10円安、H2Oリテイリング<8242>は24円安。この日は食品スーパーが好調で、平和堂<8276>は足元の業績の良さに加えて大和証券が目標株価を引き上げ29円高で年初来高値を更新。2年前に中国の反日デモで打ち壊しにあったのも今は昔。同じく足元の業績が好調のいなげや<8182>も5円高で年初来高値更新。ヤマダ電機<9831>は6円高で年初来高値更新。年末商戦期待もあるが、PBR1倍割れ銘柄なので個人投資家の間で人気が出ている。カジュアル衣料店チェーンのアダストリアHD<2685>は、3~11月期の営業利益が4.6%増と発表し377円高で値上がり率4位に入った。

 アウトドア用品・衣料のヒマラヤ<7514>は、9~11月期の営業損益が2億4800万円の赤字と発表したが前年同期の3億2800万円の赤字からは圧縮したので4円高。豪雨や台風など夏から秋にかけての天候不順がアウトドアには痛手だった。クスリのアオキ<3398>は12月の既存店売上高が5.3%増と発表。6ヵ月連続で前年同月比プラスと好調で60円高で年初来高値を更新した。ドンキホーテHD<7532>は訪日外国人の「インバウンド消費」を期待され日本格付研究所(JCR)が長期発行体格付を引き上げて40円高。ギフト品販売のハピネス&デイ<3174>は9~11月期の営業赤字が拡大して20円安。東京都内で和食居酒屋「天地旬鮮・八吉」に加え10月に「東京ビアレストラン」を開店させた一六堂<3366>は、3~11月期の営業利益が59.3%増と好調で3円高だった。

 日本郵船<9101>は、自動車の海上輸送に関しアメリカ政府から反トラスト法(独占禁止法)違反に問われ、司法取引に応じて70億円の罰金を支払うと発表し3円安。罰金は特別損失に計上するが通期業績見通しは据え置き。国内の主な遊園地・テーマパークの2014年の合計売上高が過去最高という記事が出たが、オリエンタルランド<4661>は390円安、「ハウステンボス」のエイチ・アイ・エス<9603>は40円安。東京ドーム<9681>は産経新聞朝刊が、現在サッカーJリーグの試合が対象の「toto(スポーツ振興くじ)」をプロ野球の試合も対象にすることを政府・自民党が検討中と報じ3円高。野球ファンはどう思うだろう? ALSOK<2331>は前日に野村證券が目標株価を引き上げ17円高で上場来高値を更新していた。

 新興市場は日経ジャスダック平均は0.25%上昇したが東証マザーズ指数は0.60%下落した。マザーズのナノキャリア<4571>は、東大の片岡一則教授と共同で開発したカプセルを使い、がん細胞まで薬を運んで乳がんを治療する新しい治療法の治験を東京大学の今井浩三特任教授らの研究チームが始めるという材料があり65円高だった。

 この日の主役は経団連会長を出している炭素繊維の東レ。ドイツのBMWに車体用の炭素繊維を供給すると大きく報じられ、売買高7位、売買代金5位と買われ31.1円高で3日続伸し、繊維セクターをプラス、業種別騰落率トップに押し上げた。300億円を投資してメキシコ工場の生産能力を倍増するという。新型機に独占供給するなどボーイングから約1兆円分を受注したが、航空機では燃費改善の効果をあげており、自動車業界でもトヨタが「MIRAI」で採用するなど導入の動きが進んでいる。車体用として利用が進めば航空機をしのぐ大きな市場になる。東レについてはこの日、4~12月期の営業利益が前年同期比12%増益という業績観測記事も出ていた。(編集担当:寺尾淳)