ドコモ、15年は「セット割」で復活なるか?

2015年01月06日 07:41

 米アップルの「iPhone6」発売に沸いた2014年の携帯業界だが、それによりNTTドコモ<9437>、auのKDDI<9433>、ソフトバンク<9984>の大手3キャリア間での顧客獲得争いがますます激化の様相を呈したようにも感じられる。3社ともに「iPhone6」の料金体制は横並び、また国内通話完全定額制サービスと通信容量の家族間シェアなどについても、3社ともに実施ししのぎを削りあっている。

 そうしたなか、国内通話完全定額制サービスにより通話料金が落ち込み業績を大きく落としたNTTドコモ。かつて携帯事業者の「王者」であったNTTドコモは復活をはたすために、15年2月よりNTT東日本、NTT西日本から光回線サービスの卸を受けて、固定ブロードバンド「ドコモ光」を提供するとしている。この携帯電話と固定回線のセット契約、いわゆる「セット割」により、苦戦が続くこの状況を打破するきっかけを生み出したい考えだ。

 しかしこの「セット割」については、電気通信事業法においてNTTドコモとNTT東日本、NTT西日本というグループ企業同士の連携による割引きプランの提供が規制されていることから、この「セット割」についても抵触するのではないかという意見がライバル事業者などから持ち上がったが、しかしNTTドコモとしてはグループ同士の連携ではなく。ほかの事業者と同条件で卸を受け、自社で提供するサービスであるため、規制に抵触することなく10月に開かれた総務省の情報審議会において容認され、提供開始が実現することとった。しかしこれでライバル事業者が納得したわけではない。依然として抗議は続けており、最近もKDDIなど236の事業者とソフトバンクグループなど27の事業者が、それぞれ個別に要望書を提出している。

 こうした問題があるものの、しかしNTTドコモにとってこの「セット割」は15年以降の復活を遂げるための大切なサービスであることは間違いなく、サービス提供が開始された以後、顧客からどの程度の反響があるかについて注目がなされている。(編集担当:滝川幸平)