安保法制で自民と最も遠い順は長妻・細野・岡田

2015年01月10日 09:29

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政権交代可能な道筋をつくるのはだれか。野党第一党の民主党代表が今月18日の臨時党大会の選挙で決まる

 政権交代可能な道筋をつくるのはだれか。野党第一党の民主党代表が今月18日の臨時党大会の選挙で決まる。

 今月に召集される通常国会での幕開け。党首討論。そこでどれだけ強く党の主張を国民に分かり易くアピールできるか、巨大与党を背景とする安倍政権の覇道にブレーキや修正をかけられるのか。今国会は重要な案件がたくさんあるだけに、民主党再生を占う意味からも国会論戦、与野党の駆け引きが注視される。

 統一地方選後に一括提出される集団的自衛権行使容認閣議決定を受けた関連法案。この安保法制に民主党代表選に立候補した長妻昭・元厚生労働大臣、細野豪志・元環境大臣、岡田克也・元副総理はどう対応する考えか。

 記者会見で3氏が答えた集団的自衛権に対する答えは、長妻候補が「日本を取り巻く環境が様変わりし、かなり危機感が高まっているとはいえ、歯止めのきかない集団的自衛権を一足飛びに認めていくのは問題」と答え「わが国を防衛するために出動している米艦船、公海上にある米艦船に対する攻撃をもってわが国に対する攻撃の着手とみなして、個別的自衛権の範囲で時と場合によっては反撃できるという国会答弁もあるので、私はその着手のところをきちっと一つ一つ整理していく」。

 長妻候補は「個別的自衛権の範囲内で法整備を急ぐことが必要」と強調し、「集団的自衛権の行使には反対」すると明確に答えた。3候補の中で最も自民党から遠い立ち位置に立っている。

 細野候補は「集団的自衛権行使容認の閣議決定の撤回を求める」考えを述べた。そのうえで「安全保障基本法をつくることで考えを明確にする」とした。

 また「朝鮮半島有事はわが国の有事に直結するため、基本的に個別的自衛権だけれども、すべておさまるかどうかということについて、しっかり向き合った上で法律をつくっていく必要がある」と答えた。これは個別的自衛権の枠に収まらない事態には具体的解決を図るための法整備が必要との考えを示したもの。
 
 岡田候補は「自国が攻撃を受けたときと同じくらい大変な事態であれば、何らかの対応は政府として必要ではないかという気もするが、具体的にどういうことを意味していて、本当に限定できるのか。集団的自衛権という考え方で対応するのがいいのか、個別的自衛権を少し広げて対応するのがいいのか、そういう議論をしっかりする」と時間をかけ議論をする必要を強調した。

 岡田候補は「(政府の安保法制見直しの法案に)反対だけなら巨大与党はどんどん彼らの思うような法制を通していく」と真っ向反対はかえって暴走させることになりかねないとの認識を示している。そのため「中身に踏み込んで議論し、その中で軌道修正を図っていくということが大事ではないか」と政府法案に正面から向かい、修正させる姿勢をみせた。

 安保法制で自民と最も遠いところに立っているのは長妻氏、次いで細野氏、そして岡田氏。

 この3人の立ち位置の違いを踏まえて、党員、サポーター、そして国会議員のそれぞれが、だれと党再生を目指すのか。また誰が代表におさまるのかで、他の野党との連携にも大きな影響が出てきそう。政権を期待される党に再生できるのか、そのリーダーに誰が就くのか。18日が注目される。(編集担当:森高龍二)