総理70年談話の注目は有識者会議のメンバー

2015年02月17日 07:46

安倍晋三総理は16日の衆議院本会議での質問に答え、戦後70年の総理談話について「安倍政権は戦後50年の村山談話、戦後60年の小泉談話を含め、歴代内閣の立場を全体として引き継いでおり、今後も引き継いでいく考えだ」と総論を語った。

 そのうえで、安倍総理は「戦後70年談話は(引き継ぐことを)前提として、作成する」とし「談話の内容は、さきの戦争への反省、戦後の平和国家としての歩み、今後、日本としてアジア太平洋地域や世界のためにどのような貢献を果たしていくのか、次の80年、90年、100年に向けて、日本はどのような国になっていくのかについて世界に発信できるようなものを、英知を結集して考え、新たな談話に書き込んでいく」と述べた。

 安倍総理は「まず有識者会議を早期に立ち上げ、21世紀の世界の在り方、その中で日本が果たすべき役割などについて議論頂き、政府として検討していきたい」と答弁した。

 これまでも他の議論(テーマ)での有識者会議のメンバーが「結論ありきのメンバー選任だ」など、野党から客観性や公平性への懸念、批判が度々でていることから、世界が注目する総理談話だけに、影響の大きさからも、イデオロギーに囚われず、多様な視点からバランスのとれた人選ができるかどうか、有識者会議への国民の信頼を左右することにもなりかねず、当面は有識者会議のメンバーに関心が集まりそう。

 自民党の谷垣禎一幹事長が質問にした。谷垣幹事長は「戦後70年の節目で総理は談話を出すと表明しているが、新たな談話について、総理は記者会見等で『村山総理談話をはじめ歴史認識に関する歴代内閣の立場を全体として今後も引き継ぐ』とともに、『先の大戦への反省、戦後の平和国家としての歩み、今後日本としてアジア太平洋地域や世界のために、どのような貢献を果たしていくのか、世界に発信できるようなものを、英知を結集して書き込んでいく』と述べられている。総理の考えに対し、過去の総理談話に使用されてきたキーワードの継承を焦点にした論争が展開されているが、一番重要なのは談話に込められる総理のメッセージのはず」とし「侵略」や「植民地支配」といったキーワードを入れるかどうかではなく、重要なのは総理のメッセージだと半ば総理をフォローする内容を示したうえで「改めて戦後70年談話にあたっての総理の想いを伺う」としたのに答えた。(編集担当:森高龍二)