フォルクスワーゲンは低回転域から俊敏に反応する小径タービンを用いた1.8リッターターボエンジンを搭載した「Polo GTI」を販売開始した。
これまでのPolo GTIはスーパーチャージャーとターボチャージャーの二つの過給器を搭載した1.4リッターエンジンを採用していたが今回から1.8リッターに排気量を増やしスーパーチャージャーを廃止しターボチャージャーのみのエンジンとなった。
TSIエンジンは低回転域をスーパーチャージャーが、高回転域をターボチャージャーが補うことで低排気量を実現していた。しかし最近ではタービンの性能アップによってターボチャージャーのみでもいけるという判断が増えている。実際これまで2000回転で最大トルクを発生させていたが今回は1250回転から発生するようになっている。日本においてはこれまで1.5リッタークラスだった自動車税が2.0リッタークラスに値上げになる。
2010年頃、Polo GTIに初めて乗った時に思ったのは1997年頃に売られていたホンダ<7267>「シビックタイプR」(EK9)からの乗り換え先だ。当時はまだ今ほどコンパクトなホットバージョンが多くなく、どれもEK9を超えてはいないと考えていた。そんな中DSGやTSIを装備し登場したPolo GTIには驚いた。EK9から買い換えるならPolo GTIをオススメしようと思った。
最近ではEK9はもちろんホンダ「インテグラタイプR」(DC5)を超えるようなハイパフォーマンスコンパクトも多い。アウディ「S1」、ルノー「ルーテシアRS」、フォード「フィエスタRS」等過給器を使ってハイパワー化してNAのiVTECエンジンを凌ぐ方向に持っていっている。だがホンダも近々VTECエンジンにターボを搭載してやってくる。
この手の車によくある最大馬力や過給器の搭載、ニュルブルクリンクのタイムのアピールはセールス上大事かもしれないが、実際日本で買って日本で乗る層にそのハイパフォーマンスが必要かと言われると必要ないと思う。
日本では低燃費やエコ、クリーン志向の方が人気があるので2014年に登場した「Polo ブルーGT」が言い方やキャラクターを変えてPolo GTIから置き換わったとばかり思っていたがそうではなかったようだ。筆者がPoloを買うとしたら「Polo TSI Comfortline」にする。そしてパドルシフトと90馬力をいっぱいに使って一生懸命走る。(編集担当:久保田雄城)