3月14日に北陸新幹線が開通した。元々1997年10月に長野オリンピック開催にあわせ開業した東京-長野間を運航していた長野新幹線を延長し、新潟県の上越地区や富山県を経て石川県の金沢まで一本で行けるようになった。それに伴い東京から金沢まで従来3時間50分も要していたのが2時間30分で行くことが可能となった。東京-日本海地域の人や物の往来が活発となることが見込まれ、企業の投資活動も進み経済発展が予想される。
効果はすぐに見られる形となった。北陸新幹線開通により北陸ブームが起きていると言っても過言ではない状況ができたのだ。先日、楽天トラベルが春の旅行先都道府県別人気上昇ランキング上位10か所を発表した。石川県が1位、富山県が8位にランクインされた。
石川県内の宿泊施設では前年同時期に比べ1.5倍以上もの予約を記録し、ホテルや旅館などの300近い施設が新幹線開業記念のプランを用意している。富山県では黒部宇奈月温泉駅周辺エリアの予約が好調である。両県では新幹線駅からの周遊客も多く、レンタカーの借り手が増えた。周辺の観光施設だけでなく、幅広い波及効果が生まれている。
金沢をはじめとする北陸の課題はこの勢いをブームで終わらせないことである。食べ物がおいしかった、温泉が気持ちよかったというだけの満足ではリピーターの定着は難しい。適切な投資をしていかないと観光客が尻つぼみしていくのが容易に想像することができ北陸新幹線開通が失敗に終わったと言われかねない。
北陸新幹線は今後2023年春に金沢から福井市を経て敦賀市まで延長する予定がある。敦賀から京都まではそう遠くもない。つまり北陸が関西に向けても戸を開く形となる。言って見ればまだ道半ばの北陸新幹線。何度も行って見たいと思うリピーターを作るのはその土地の施設であり、その土地に住む人の人情である。今後北陸地方の更なる発展を担うのは北陸の企業およびそこに住んでいる人達にかかっているだろう。(編集担当:久保田雄城)