【今週の振返り】「4.30ショック」が起き488円も下落した週

2015年05月02日 20:32

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期待するのも、失望するのも勝手。だがそれは東京市場全体を巻き込み、2万円台からの今年最大の下落を招いた。「4.30」は反省と教訓の日付になるか?

 祝日明けの30日の日経平均は2万円を大きく割り込み大幅反落。28日のNYダウは消費指標の悪化で下げたがドル安好感で切り返し72ドル高、29日は74ドル安。日米首脳会談はTPP合意に前進。アメリカの1~3月期の実質GDP成長率速報値は+0.2%で、10~12月期の+2.2%、市場予測の+1.0%より大幅に悪いネガティブサプライズ。ダウは安く始まったが「寒さと港湾ストのせい」で言い訳がつくためか午後は下げ幅圧縮。FOMCの結果は景気の基調判断を引き下げゼロ金利政策を継続しながら、6月の利上げを明確に否定しなかったため頭を抑えられプラスに浮上できなかった。いったん売られたドルも買い戻され朝方のドル円は119円近辺。CME先物清算値は19805円だった。

 取引開始前発表の3月の鉱工業生産指数速報値は-0.3%で、市場予測の-2.3%よりも良かった。4月は+2.1%の予想。しかし海外の2日分の悪材料を織り込んだように日経平均は211円安の19847円と大幅安で開始。序盤は19800円を割り込み、午前9時16分に下落幅が300円を超える19725円で下げ止まる。日経平均は25日移動平均の19709円、TOPIXは1600が防衛ラインと思われたが、10時を回るとどちらもあっさり割り込み安値更新。それでも前場は19700円にもタッチしながら19600円台後半で小動きし、日銀会合の結果を息をこらして待つ状況。前引けは380円安の19678円だった。

 後場は19704円で再開。日銀の金融政策決定会合の結果発表が遅く「もしかすると」と思わせたが、午後1時前に出たのは金融政策現状維持、展望レポートで物価上昇率目標2%を2016年度に先延ばしし、黒田総裁から追加緩和の「贈り物」はなし。勝手に期待して勝手に落胆してポジションを手じまうのか、1時台の為替のドル円は118円台半ばまで50銭近くも円高が急進し、先物の裁定解消売りも出て主力銘柄が軒並み安になり、日経平均は下げ幅を広げ19600円を割り込み、1時40分には19502円まで下げた。2時台は為替が円安方向に戻し一時19600円台に乗せる場面もあったが、終盤は再び軟調になり大引けは538円安の19520円と、終値ベースで今年最大の下げ幅を記録して終えた。

 この日の新規IPOは2件。地域情報クチコミサイト「エキテン」を運営するデザインワン・ジャパン<6048>が東証マザーズに新規上場。公開価格2750円に対し10時32分、50.9%高い4150円の初値がついた。クラウドシステムの導入支援・開発事業を行うテラスカイ<3915>が東証マザーズに新規上場。大引けまで初値はつかず、公開価格1700円に対し3910円の買い気配で終了し初値は翌日に持ち越された。28日に東証マザーズに上場し初値がつかなかったビッグデータ関連のジグソー<3914>は10時33分、公開価格2390円の3.36倍の8040円の初値がついた。これで4月の新規IPOは全て終了。この日の2勝を加え8勝2敗1引き分け1預かり(白星濃厚)で、3月まで1敗しかしなかったのと比べると取りこぼしが目立った。次の新規IPOは6月になる公算大。

 日経平均終値は538.94円安の19520.01円、TOPIX終値は-34.64の1592.79。売買高は27億株、売買代金は3兆4727億円の大商い。値上がり銘柄数は337、値下がり銘柄数は1464。上昇セクターは海運、鉱業の2業種のみ。下落セクターは情報・通信、精密機器、食料品、化学、保険、その他金融、陸運、サービスなど31業種だった。

 日経平均が15年ぶりの2万円に到達した4月の取引が終了し、3月31日の終値から313.02円上昇して今月の取引を終えた。月間騰落は一時1000円をオーバーしていた。今年に入って4ヵ月連続で月間騰落のプラスが続き、昨年の大納会終値の17450.77円から2069円も上昇して、現状では2014年1年分の1159円高を大きく上回っている。

 5月1日の日経平均は小幅反発。ユーロ圏CPIがマイナスを脱し、アメリカの個人消費支出もシカゴPMIも新規失業保険申請件数も良かったが、それでかえって早期利上げ観測が再燃してNYダウは195ドルの大幅安になり18000ドルも17900ドルも割り込んだ。「Apple Watch」の不具合報道でNASDAQも82ポイントの大幅安。ドル円は119円台半ばで前日よりも円安進行。CME先物清算値は19410円と安かった。