ニトリがクラウドサービスによる宅配サービスを開始

2015年06月15日 07:37

 ニトリホールディングス<9843>グループで、物流事業を担うホームロジスティクスは、POSシステム、ECシステムと連動して輸配送のリソース状況に応じた配送時間枠の提示と配車計画の自動作成を可能とする伊藤忠テクノソリューションズ<4739>(CTC)のクラウドサービス「Mobile Asset Management Service(MAMS)」を宅配サービス基盤として採用した。ニトリが17日に立ち上げる新ECサイトでMAMSを利用した宅配サービスの運用を本格開始する。

 ニトリおよびホームロジスティクスでは、従来、システム上で効率的な配送ルートの自動作成を行っていたが、状況にあわせた配送ルートのリアルタイムでの変更や、配送日時の詳細な指定などが宅配サービス向上における課題となっていたという。グループ全社が使用する基幹システムの刷新に合わせて、宅配サービス基盤の更改を行い、2014年11月に全国のニトリの店舗へMAMSの導入を行った。

 一方、CTCのMAMSは、配送計画を注文時に自動的に作成するクラウドサービスで、配送予定時間や配送状況などを自社のウェブサイトやECサイトで追跡・確認することができる。受注と同時にシステムが効率的な配送ルートを自動で作成し、配送担当者をはじめ関係者全員はパソコンやスマートフォンを使って情報共有が可能。ニトリ店舗のサービスカウンター、または接客用のタブレット端末で宅配依頼を受け付けると、システムが配送可能な日時を提示する。
 
 トラックへの積載条件や住居に応じた納品条件など、購入者の要望を反映しながら、効率的な配送ルートを作成し、変更があった場合は自動的に再作成を行う。

 新ECサイトにおいても、MAMSを利用することで店頭同様に時間指定での配送受付が可能となる。ニトリの「あらゆる販売チャネルで共通のユーザー体験を提供する」というオムニチャネル化の一環で、ECサイトを利用するユーザーにも共通のサービスを提供する方針だ。

 また、ホームロジスティクスは、自社の物流サービス強化の一環として、このシステムを活用した外販物流サービスの提供を開始した。既にニトリ以外の十数社への提供を開始している。(編集担当:慶尾六郎)