事業者別シェア、ソフトバンクが初のマイナスに

2015年06月28日 20:59

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23日に総務省が発表した2015年3月末時点の携帯電話など移動系通信契約数の契約数と事業者別のシェアは、大手3キャリアドコモが前年同期比0.2ポイントアップの42.4%、auのKDDIが前年同期比0.5ポイントアップの28.6%、ソフトバンクが前年同期比0.7ポイントダウンの29.0%だった

 携帯電話大手キャリアと、MVNO(仮想移動体通信事業者)とのシェア獲得争いが表面化しつつある。23日に総務省が発表した2015年3月末時点の携帯電話など移動系通信契約数の契約数と事業者別のシェアから、そうした状況をうかがい知ることができる。総務省が発表したデータによれば、大手3キャリアのシェアはNTTドコモ<9437>が前年同期比0.2ポイントアップの42.4%、auのKDDI<9433>が前年同期比0.5ポイントアップの28.6%、ソフトバンク<9984>が前年同期比0.7ポイントダウンの29.0%だった。こうしてソフトバンクのシェアが前年を下回るのは、旧ボーダーフォンから国内携帯事業を買収した18年度以来、初めてのこととなる。

 総務省の発表によれば、携帯電話の契約数は前期比で1.8%アップの1億4998万件、前年同期比では5.4%アップという結果であった。またPHSとBWA(広帯域移動無線アクセスシステム)の合計契約数は1億5722万件であった。このうちLTEの契約数は前期比9.5%アップの6777万件で、前年同期比では46%アップとなった。PHSは前期比2.7%ダウンの516万件で、前年同期比では7.0%ダウンであった。BWAは前期比30.5%アップの1947万件で、前年同期比は160.9%アップという結果であった。

 MVNOの契約数は前期比6.5%アップの952万件で、前年同期比28.9%アップという結果であり、全体におけるシャアは6.1%であった。

 総務省が発表したデータのうち、事業者別のシェアを見てみると、NTTドコモが42.4%、KDDIが28.6%とそれぞれシェアを伸ばしている。しかしソフトバンクのシェアは29.0%であり、前年を下回った。こうしたシェアの減少は、5月時点でのソフトバンクの純増数が195万1000件の純増であるのに対し、関連会社のワイモバイルは11万件の純減とソフトバンクの足を引っ張っている現状があるほか、MVNOの台頭も影響しているものとみられる。今後ますますMVNOは認知度を高め、シェアを獲得していくことだろう。これに対して何らかの対策をとらない限り、大手キャリアといってもその地位は安泰とは言えなくなるのではないだろうか。(編集担当:滝川幸平)