経済再生と財政健全化に資す予算編成に 総理

2015年07月17日 10:05

 安倍晋三総理は16日開いた経済財政諮問会議で、28年度予算について「デフレ脱却・経済再生と財政健全化の双方に資するよう、予算編成を進めていきたい」と語った。

 また経済財政諮問会議で今年の後半に取り組む課題について「民間議員より提示いただいた。最大課題は『骨太方針2015』を具体化することであり、経済・財政一体改革を断行していかなければならない。甘利明経済財政担当大臣を中心として関係大臣には専門調査会を活用して歳出抑制につながる制度改革を強力に推進するよう」要請した。

 同会議の榊原定征氏(経団連会長)ら民間議員4氏は、来年度の予算の全体像について「我が国経済はマクロ面・ミクロ面とも、四半世紀ぶりの良好な経済状況を達成しつつある」とし「こうした状況を最大限活かしつつ、経済・財政再生計画における集中改革期間の初年度に当たる平成28年度においては成長戦略を拡充・加速するとともに、『骨太方針2015』を踏まえ、デフレ脱却・経済再生と財政健全化の双方に寄与する歳出改革、歳入改革の本格的な取り組みを開始すべき」と提言。

 28年度の経済見通しについて「中国等の海外景気の下振れ、ギリシャ問題の行方や米国の利上げ動向に伴う金融市場の動向等に留意する必要があるが、民需中心の経済成長が継続・拡大していくと見込まれる」としたほか「年度後半には消費税率再引上げに伴う駆込需要が発生すると見込まれる」としている。

 歳出改革については「すべての分野の経費を対象に府省ごとに幅広く歳出改革を進め、予算要求に反映する取り組みを促すこと」としている。実効性をあげるため「専門調査会で設定するKPI、改革工程等の策定と並行し、各府省は予算要求で歳出改革への取り組み、改革効果の見込み(集中改革期間の各年度)を予算編成プロセスの中で明らかにすべき」などとした。

 また、歳入の拡大を図るため「課税ベースの拡大等による税収拡大の実現、課税等インフラの整備、税外収入の確保を着実に進めるべき」などと提案した。(編集担当:森高龍二)