次はテクニカル・ポジションをみていこう。17日の日経平均終値20650.92円は、5日移動平均の20437円、25日移動平均の20336円、75日移動平均の20082円よりも上にある。17日に5日線が25日線を上に抜いてミニ・ゴールデンクロス(GC)になった。本家のGCではないが縁起はいい。日足一目均衡表の「雲」は75日線を包んで19791~20148円という位置にある。前週は871円高の5日間でこの3本の移動平均と雲を一気にゴボウ抜きできた。雲の今週の上限は20177~20184円で一進一退するが、下限は21日の19791円から24日は19948円まで上昇する。それに下から突かれるように、来週になれば雲の上限が20471円まで上昇してくる。
ボリンジャーバンドでは、17日終値は20642円の25日線+1σと20948円の+2σの間にあり、やや上についていて上値が限定されるパターン。ザラ場ベースの年初来高値(20952円)に接した+2σのラインを抜くのは容易ではなさそうだ。25日線-1σは20029円で「雲」の中にある。
オシレーター系指標は、終値ベースで878円上昇した4連騰を受けて週間で531円上昇し終値が20706円だった6月26日の状況に似ている。17日の終値はその56円下で、「買われすぎ」シグナルが2つしか灯っていないのも同じ。それはストキャスティクス(9日・Fast)の97.4(70以上が買われすぎ)と、ボリュームレシオの75.4(70以上が買われすぎ)。それ以外は騰落レシオが102.2、25日移動平均乖離率が+1.54%、RSI(相対力指数)が59.6、RCI(順位相関指数)が26.6、サイコロジカルラインが9勝3敗の75.0%で、買われすぎラインには達していない。
そのため、上値は20900円台はちょっと無理だとしても、150円上の20800円は1日タッチするだけであっても好材料が揃えば望めそうだ。
一方、下値は2万円割れをもたらしたギリシャと上海の懸念が去ったので、仮に悪材料が重なったとしてもレジスタンスラインからサポートラインに変わった「雲」の上限(20177~20184円)で止まるとみる。
さらに、6月のメジャーSQ値20473円も9月の次のメジャーSQ日が来るまではサポートラインとして機能するし、その下には25日移動平均の20336円もある。前週、ゴボウ抜きして飛び出した「雲」のすぐ上には、敵から兄弟に変わって下値を支えてくれる防衛ラインが多くある。それは今週の値動きに安定を、投資家に心の平安をもたらしてくれるだろう。25日移動平均線を割り込むケースは上海市場の暴落など、よほどの場合に限られると思われる。
ということで、今週の日経平均終値の変動レンジは20200~20800円とみる。
7月の東京市場は外部要因に翻弄され続けたが、今週はそれが一段落して、株価材料が「国内回帰」する週になりそうだ。ただ、それほど重要な経済指標もイベントも見当たらないので、主要企業の4~6月期の決算発表と、それを先取りする経済紙の業績観測記事の影響が相対的に大きくなりそうだ。前週、与野党が対決した安保関連法案が衆議院を通過したので、今週はTPP関連など政策にからんだ材料が表に出てくるかもしれない。(編集担当:寺尾淳)