【今週の振返り】小動き、薄商いが続いて106円下落した週

2015年07月25日 20:33

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決算シーズンで日米で「業績相場」復活。しかし日経平均は動きが乏しくなり、日中値幅は139円、101円、59円、103円。風雨と波濤がおさまった後の、静かの海。

 23日の日経平均は反発。NYダウは68ドル安。ヨーロッパ市場は軒並み安。注目の企業決算はアップルは増収増益ながらiPhoneやApple Watchの売上、7~9月期見通しが懸念され、マイクロソフトは減収減益でヤフーは最終赤字転落、ボーイングやコカ・コーラの1株当たり利益が市場予測を上回っても、IT関連、特にアップルの決算にはかなわない。商品市場が軟調で原油先物が50を、金先物が1100を下回ったことも株価を冷やした。中古住宅販売件数が8年ぶりの高水準でドルが買われ朝方のドル円は124円近辺。ユーロ円は135円台前半。CME先物清算値は20640円だった。

 取引時間前に財務省が発表した貿易統計は、6月は赤字が690億円で市場予測より悪く3ヵ月連続赤字。上半期1~6月の赤字額は1兆7251億円だった。それでも円安要因。NYは安くてもアップル決算はすでに織り込み済みで前日の下落幅も大きいので日経平均は99円高の20693円で始まる。開始直後に20700円台にタッチし午前9時6分に20708円まで上がるが、上値は抑えられ、9時47分の20648円を底にプラス圏の20600円台後半でおおむね推移する。TOPIXは1660前後で動かなくなる。上海はマイナスで始まりながらプラスに転じて徐々に値を切り上げる展開。それに安心したのか日経平均の変動レンジは20660~20690円に上がり、前引けは81円高の20675円だった。

 後場は少し安く再開するが20660~20680円の小動き。商いが薄く、売買代金2兆円以上73営業日の新記録達成危うし。午後1時前から上昇して20700円にも接近するがタッチできない。午後2時台は振れ幅がやや大きくなるが20600円台後半の水準は保ち、大引けは90円高の20683円と反発した。日中値幅は60円で後場は33円しか動かなかった。

 日経平均終値は90.28円高の20683.95円、TOPIX終値は+9.51の1664.88。売買高は18億株と少なかったが売買代金は2兆2069億円で、4月7日以来73営業日連続で売買代金2兆円以上という日本新記録達成。07年以来8年ぶり。値上がり銘柄数は1259、値下がり銘柄数は520。23業種が上昇し、上位はパルプ・紙、空運、小売、食料品、陸運、その他製品、医薬品など。10業種が下落し、下位は海運、鉱業、石油・石炭、鉄鋼、金属製品、機械などだった。

 24日の日経平均は大幅反落。NYダウは119ドル安で3日続落。シカゴ連銀全米活動指数は前月のマイナスから+0.08とプラスに転じ、新規失業保険申請件数は市場予測を2.3万人下回る25.5万人。GMの決算は良かったが、アメックス、キャタピラー、3Mが悪くダウは下げ幅を拡大した。商品市場は金先物は下げ止まったが原油先物は下落が続く。24日朝方の為替レートは、ドル円は123円台後半で前日並み、ユーロ円は136円台前半。CME先物清算値は20570円だった。

 日経平均は80円安の20603円で始まる。序盤の日経平均は午前9時6分に20631円まで上がった後、20600円付近で小動きする。TOPIXは1600台をほぼ維持し底堅い。IMFが「追加緩和を準備すべきだ」と日銀にプレッシャーをかけていた。次回の日銀会合は8月6~7日で、もしやれば人呼んで「仙台七夕緩和」か? 20600円台前後のもみあいは10時40分頃まで続いたが、11時にかけて20530円付近まで下落する。10時45分発表のHSBCの中国PMIが48.2で市場予測の49.7を下回ったため。11時台に値を戻しても20560円付近までで、前引けは141円安の20542円だった。

 後場は午後0時33分に20527円の安値をつけるが、その後は20550円を軸にプラスマイナス20円程度の小動きが続く。2時を回ると変動レンジをやや上げるが、それでも3ケタのマイナス圏。ウォールストリートジャーナルも有力ヘッジファンドも改めて「中国売り」を示唆する中、上海市場はこの時間はプラスで推移していた。終盤はやはり「利益確定売りの金曜日」なので下落し、20550円を割り込んで大引けは139円安の20544円だった。アメリカでの株主によるクラスアクション(集団訴訟)は経営陣が不正を認めていて東芝の敗訴は確実なので、8月3日の期限までに原告の人数が100人を超えそうな見通し。東芝は2.2円安で3日続落した。

 日経平均終値は139.42円安の20544.53円、TOPIX終値は-9.02の1655.86。売買高は17億株だが売買代金は2兆767億円でかろうじて74営業日連続の新記録更新。値上がり銘柄数は549、値下がり銘柄数は1241。プラスのセクターは化学工業、サービス、電気・ガスの3業種のみ。30セクターがマイナスで、その下位は海運、非鉄金属、ガラス・土石、卸売、機械、水産・農林、銀行などだった。

 今週の星取は2勝2敗。前週末17日終値20650.92円から106.39円下落して今週の取引を終えた。大きなイベントもなく小動きと薄商いに終始した、静かな1週間だった。(編集担当:寺尾淳)