ISIL作戦の後方支援「行わない」総理が断言

2015年07月29日 06:39

 安倍晋三総理は27日の参院本会議でISIL作戦への後方支援について「国際平和支援法の下で日本が後方支援を行うためには、国連決議の存在に加え、国際社会の一員として主体的かつ積極的に寄与する必要があるかを含め、法律に定めた要件を満たすか否かを個別具体的に判断し、かつ事前に国会の承認を頂く必要がある」としたうえで「政府としては政策判断としてISILに対する軍事的作戦を行う有志連合に参加する考えはない。ISILに対する作戦に後方支援を行うことはまったく考えていない」とするとともに「今回の法案が成立した後であっても不変です」と断言した。

 安倍総理は「今後とも、難民、避難民に対する食糧・人道支援など、我が国ならではの人道支援を拡充し、非軍事分野において国際社会における我が国の責任を果たしていく」とした。

 民主党の北澤俊美議員が、今回の法案によって、要件を満たせば理論上、対ISIL作戦への後方支援が可能になると中谷元防衛大臣は答弁していることについて、北澤議員は「つまり法案成立後、安倍総理の気が変われば、自衛隊をISILとの戦いに派遣することもあり得るということか」と質したのに答えた。

 また北澤議員は自身の半世紀に近い政治生活でも集団的自衛権行使容認の話は聞いたことがない。岸信介、田中角栄、大平正芳、中曽根康弘、竹下登、橋本龍太郎、小泉純一郎は尊敬する総理経験者だが、集団的自衛権は憲法上行使できないと述べてきた。砂川判決が集団的自衛権を認めていたのなら(歴代総理は)憲法違反の発言を繰り返していたことになる。為政者が好き勝手に出来ないよう一線を画すために憲法があるのであって、選挙で勝っても、憲法違反は正当化できない。それが立憲主義だ」と安倍総理を追求した。(編集担当:森高龍二)