法的安定性をどうでもいいと思う補佐官は更迭を

2015年07月29日 06:41

 磯崎陽輔総理補佐官が講演で 「集団的自衛権も我が国を守る為だったら、良いのではないかという提案をしているのです。そうしたら、何を考えないといかんかと、法的安定性は関係ないですよ」と発言していた問題が、28日の参院安保特別委員会で取り上げられ、民主党の福山哲郎議員は「法的安定性をどうでもいいと思うような補佐官は更迭すべきだ」と総理に適切な対応をとるよう求めた。また、磯崎氏の言動について国会で本人に確認できるように国会招致するよう委員長に求めた。鴻池祥肇委員長は理事会で協議すると約した。

 安倍晋三総理は「磯崎補佐官の発言は、平和安全法制を議論していくうえで憲法との関係と共に安全保障環境の変化を十分に踏まえる必要があるとの認識を示した発言と承知している」としたうえで「法的安定性を確保することはもとより当然のことであり、そこに疑念を持たれるような発言は慎まなければならない。菅義偉官房長官からも補佐官に注意した」と釈明した。

 福山議員は「法的安定性は関係ないですよという総理補佐官は政府の人間だ。これは、我々は法的安定性を放棄して、集団的自衛権の行使容認をやるということを政府内部の人間が認めているということだ。まして、参院での審議が始まる前の日に、9月の中旬までに(法案を)あげて頂きたいとは、どういうことか。総理補佐官は行政権と立法権の区別も分からないのか。立法府を蔑ろにしている。法的安定性をどうでもいいと思うような補佐官は更迭すべきだ」と厳しく追及した。(編集担当:森高龍二)