ここのところ、コンビニエンスストアやスーパーなどの飲料品売り場で、「りんご味」や「みかん味」などの味付きのミネラルウォーターをよく見かけるようになった。最近のダイエット志向の高まりのなか、こうした味付きのミネラルウォーターが人気を博しているという。筆者もいくつかのメーカーの商品を飲んだことがあるが、ダイエット効果の有無はともかく、味が付いていない従来のミネラルウォーターよりも飲みやすいと感じた。恐らくはこの点も、今、味付きミネラルウォーターが人気となっている要因なのだろう。
今や味付きのミネラルウォーターの種類は増える一方だが、4月14日にはサントリー食品<2587>がヨーグルト味のミネラルウォーター「サントリー 南アルプスの天然水&ヨーグリーナ」を発売。ミネラルウォーターとヨーグルト味という組み合わせが大きな話題となり、同社は発売開始からわずか3日後の17日に出荷を一時停止した。その理由について、発売に向けた需要想定が十分ではなく、今後の注文に対して安定的な供給量を確保できないためとしていた。その後、サントリー食品は6月30日に同商品の発売を再開させた。
そうして「サントリー 南アルプスの天然水&ヨーグリーナ」が想定以上の売れ行きをみせ、一時的に製造を中止させたサントリー食品だが、同社は5日、鳥取県江府町にある「天然水奥体山ブナの森工場」のミネラルウォーターの年産能力を、来年の春をめどに現状の1.67倍にまで引き上げるとの発表を行った。約88億円を投じて、新しい製造ラインを1本導入する。最近の味付きミネラルウォーターなどの需要の高まりから、年産能力を引き上げることが不可欠との判断を下したとのこと。
サントリー食品は、山山梨県北杜市にある「白州工場」と熊本県嘉島町にある「九州熊本工場」で同社のミネラルウォーターのブランド「天然水」の生産を行っている。「天然水奥体山ブナの森工場」とこれら2工場、計3工場を合わせた年産能力は8100万ケースであり、これを来年の春までに現状比12%超アップの9100万ケースにまで引き上げる。(編集担当:滝川幸平)