「鬼門」SQ週の火曜日の日経平均は111円高の20920円と20900円に乗せて始まる。6月24日のザラ場の年初来高値まであと32円。TOPIXは2007年7月以来約8年ぶりに1700の大台に乗せてスタート。午前9時7分にあと6円に迫る20946円まで上昇するが、9時56分に20897円まで押し戻される高値波乱で安定しない。TOPIXも1700台に定着しきれない。それでも10時台前半は日経平均20900円前後、TOPIX1700前後の水準に落ち着いた。10時30分に川内原発1号機が再稼働し、約2年続いた国内の稼働中の原発ゼロにピリオドが打たれた。九州電力<9508>は朝から下落。上海市場はマイナスの局面はあってもおおむね小幅プラスで、日経平均はやや値を上げて20940円近くまで上昇するが、11時を回ると先物主導の「ゲリラ急落」開始。TOPIXを道連れにして真っ逆さまにマイナスまで落ち、20800円、20750円も割り込み11時28分に20746円で下げ止まる。中国が人民元レート(対ドル基準値)を2%切り下げ、上海市場が崩れマイナスになったのが引き金だが、高値圏でのおあつらえ向きの売り材料だったためか少々過剰反応気味。前引けは47円安の20761円だった。
いつものSQ週の鬼門、火曜、水曜の裁定解消売りとは違って「人民元切り下げショック」は大きく、全くリカバリーしない。上海市場の午前中の取引は小幅安で終わり、日本でそれを重視する投資家が多い豪ドルは急落。昼休み中の日経平均先物は20700円を割り、後場の日経平均は再開しても20600円台を維持できず午後0時32分に226円安の20582円まで下げる。また今週も東京市場はチャイナリスクに泣かされた。それでも健気にリカバリーし1時までに20700円にタッチするが、1時台前半は20600円台前半でくすぶり低迷。1時台後半は20600円台後半に上がるが、プラス圏は遠い。2時に再開した上海はプラスに浮上できず、日経平均は20600円台後半で小動きするだけ。それでも上海が下げ幅を圧縮すると2時台後半には20700円台に浮上して下げ幅が2ケタになる。それでも終盤プラス圏まで戻ることはかなわず、大引けは87円安の20720円で5日ぶりに反落した。日中値幅が364円もあった激動の一日。TOPIX、JPX日経400は10日ぶりに反落し連騰記録は9でストップした。上海市場は小幅安で終了し、東京市場の過剰反応ぶりが目立ってしまった。
新規IPOが1件。「トランクルーム」などセルフストレージビジネスのためのソリューションプロバイダ事業を手がけるパルマ<3461>が東証マザーズに新規上場した。公開価格1350円に対して11時20分、70.5%高い2302円の初値がついて白星。今週の新規IPOはこの1件だけだった。
日経平均終値は87.94円安の20720.75円、TOPIX終値は-3.69の1687.60。売買高は24億株、売買代金は2兆9723億円。値上がり銘柄数は817、値下がり銘柄数は962。13業種が上昇し、その上位は鉄鋼、非鉄金属、金属製品、石油・石炭、建設、鉱業など。20業種が下落し、その下位は倉庫、空運、電気・ガス、水産・農林、食料品、小売など。
12日の日経平均は大幅続落。NYダウは212ドル安の大幅反落で前日の241ドル高の9割近くが消えた。4~6月期の労働生産性指数速報値は+1.3%だったが市場予測より下。単位労働コストは+0.5%で1~3月期の+2.3%から大きく低下した。中国の突然の人民元切り下げのインパクトは「バタフライ効果」なのか上海、東京、ヨーロッパ、NYの順で遠くなるほど大きくなり、「突然の逆贈り物」ショックでダウは朝から低迷。チャートにデッドクロスまで現れた。人民元安と相対のドル高で為替のドル円は人呼んで「黒田ライン」の抵抗線125円をあっさり突破し125円台前半。ユーロも高くなりユーロ円は138円台前半。原油先物は大幅安で6年半ぶりの低水準。金先物価格は上昇した。円安が進行しても中国発のリスクオフが地球を周回し、CME先物清算値は20620円だった。
「鬼門」SQ週の水曜日の日経平均は88円安の20632円で始まる。TOPIXもマイナス。序盤は始値を寄り安に午前9時5分に20680円まで上昇するが、プラスには届かずその後は20640~20670円のレンジでの小動きが続き「嵐の前の静けさ」のよう。日銀が発表した7月の国内企業物価指数(PPI)速報値は、消費増税の影響を除いた数値で前年同月比2.9%低下した。10時台に入ると急騰して20700円を突破し10時15分に20703円まで上がるが、直後「脳天逆落とし」のように10時17分に20560円まで143円急落。中国人民銀行は前日に続き人民元の1.6%の再切り下げを発表した。何をするかわからない中国金融当局のおかげで東京市場は大混乱。下落はなお続き、20500円も割り込んで10時30分に20450円まで下げ、15分間で253円も下落した。上海市場が55ポイント安の続落で始まると日経平均は25日移動平均の20451円も防衛線にならず、10時39分に20426円の安値をつけてやっと下げ止まった。チャイナリスクと鬼門のSQ週の水曜日の裁定解消売りがタッグを組むと、地獄のような下げになる。為替はドル円がさらに円安になり、豪ドルの対円レートは連日の急落で下落幅が2%を超えた。しかし上海市場は下げ幅を次第に圧縮し、ときどきプラスにも浮上。日経平均も20500円付近まで回復して落ち着きをみせ、前引けは225円安の20495円だった。
上海市場は小幅安で午前中の取引を終了した。後場の日経平均は前引けとほぼ同水準で再開。しかし20400円台で徐々に値を下げていき、日足一目均衡表の「雲」の中に落ちて先物主導で午後1時前から下げ足を速め20400円も割り込み、1時20分に20333円、1時41分に20303円まで下落。後場でも安値更新が続く。前日終値比400円安を超える大幅安で、25日線よりも下になり、振り向けば20281円の75日移動平均。それでも2時台に入ると午後の取引が再開した上海の下げ幅圧縮に伴い、2時15分すぎには20400円台に戻った。おなじみの中国関連銘柄だけでなく、「人民元安で爆買い終了」がイメージされて化粧品や百貨店などインバウンド関連も軒並み安になった。
2時30分に中国のマクロ経済指標がまとめて発表された。7月の小売売上高は+10.5%、工業生産高は+6.0%、都市部固定資産投資は+11.2%で、いずれも6月の数値も市場予測も下回った。8日発表の7月の貿易統計の輸出は-8.3%と大きく低下し、11日発表の新車販売台数は-7.1%でリーマンショック以来の下落幅になり4ヵ月連続でマイナスだったが、それよりひどくないとはいえ市場予測よりも良い数字が全く出ないので、中国人民銀行が為替レートをいじって景気浮揚を図りたくなる気持ちもわかる。それでも「まだましな数字」だったのか上海はプラスに浮上し、終盤の日経平均は20400円台をほぼ維持したが、最後までは守りきれず327円安の20392円で続落。日中値幅は400円もあった。TOPIXは21ポイントも安くなった。
日経平均終値は327.98円安の20392.77円、TOPIX終値は-21.85の1665.75。売買高は25億株、売買代金は3兆373億円で3兆円台と夏枯れ知らず。値上がり銘柄数は289、値下がり銘柄数は1533。上昇セクターは電気・ガス、情報・通信の2業種のみ。ソフトバンクG<9984>などモバイル大手3銘柄とNTT<9432>が揃ってプラスで健闘していた。下落セクターは31業種で、下位は鉄鋼、鉱業、非鉄金属、化学工業、電気機器、輸送用機器などだった。
13日の日経平均は3日ぶりに反発。中国の連日の人民元切り下げ(事実上)でリスクオフが地球を2周目。ヨーロッパ市場は大幅安だったが、NYダウは34丁目のメイシーズやアリババの決算への失望ともあいまって午前中一時277ドルまで下がったものの、午後に下げ幅をどんどん縮めて0.33ドル安の小幅安で終えた。NASDAQ、S&P500はプラスなのでアメリカが世界同時株安を止めたと言っても差し支えない。企業業績の底堅さとFRBの利上げが遠のく観測が買い材料で、NY連銀のダドリー総裁の中国の通貨政策への支持発言も追い風になった。長期金利と原油先物は乱高下の末プラス、金先物はリスクオフで大幅高。人民元レートは中国の「マッチポンプ」的通貨介入で下げ止まり、「3日連続基準値切り下げ」はなさそうに見えたが……。ドル円は124円台前半で再び「黒田ライン」を割り込んでドル安円高が進行。ユーロ円は138円台後半。CME先物清算値は20370円だった。
取引時間前に発表された6月の機械受注は-7.9%で市場予測より悪かったが、内閣府は基調判断を「持ち直している」で据え置いた。4~6月期では+2.9%。日経平均は0.23円安の20392.54円とほとんど前日終値のスライドで始まる。TOPIXはマイナスでスタート。日経平均は2分後プラスに浮上したが、TOPIXはプラスにならず「NTねじれ現象」が続く。9時台は20400円台で推移し、10時を回ると20500円を突破して10時15分に20535円まで上昇するが、10時18分にマイナス圏の20306円まで229円も急落。「まさか3日連続か?」の、そのまさか。しかしこの日は中国人民銀行の人民元基準値の切り下げ幅は1.1%とやや小幅になった。神経過敏になっている東京マーケットは乱高下したが、数分後には20400円台のプラス圏に落ち着く。その間もTOPIXはマイナスのまま。
10時30分に上海市場は小幅マイナスでスタートするが、すぐプラスに転じ徐々に値を切り上げていく。日経平均は11時を過ぎると20500円に接近する時間帯もあり、ほぼ20400円台後半で推移。11時15分から、直前に為替介入しながら、切り下げ済みの基準値をいきなり発表してマーケットを混乱させる「おとり作戦」まで駆使する中国人民銀行の緊急記者会見が始まった。速報はまだ入らず上海総合指数は高値を取り、日経平均は20400円台後半の水準を保ったまま、前引けは85円高の20478円だった。TOPIXはずっとマイナスのままだった。