新規IPOが1件。長野市が本社で土木工事に関わる試験総合サービス、地盤補強サービスを行う土木管理総合試験所<6171>が東証2部に新規上場。公開価格1250円に対し9時4分、2.4%低い1220円の初値がついて黒星。「補正予算で公共事業による景気対策」が噂されながら、「国土強靱化」は、もうすでに過去のテーマなのか? たまたま「中国発の乱世」に当たってめぐり合わせも悪かったが、「1部直接、2部上場は成績が悪い」というアノマリーを補強してしまった。
日経平均終値は570.13円高の18376.83円、TOPIXは+46.32の1478.97。売買高は34億株、売買代金は3兆8000億円。値上がり銘柄数は1792、値下がり銘柄数は92。全33セクターがプラスの全面高で、上昇幅が大きいのは電気・ガス、保険、その他製品、その他金融、電気機器、証券など。上昇幅が小さいのはパルプ・紙、水産・農林、海運、食料品、情報・通信、ガラス・土石などだった。
27日の日経平均は続伸。NYダウは619ドル高で7営業日ぶり反発。NASDAQは191ポイント上昇。前日の上海総合指数がマイナスで終わりヨーロッパ市場は安かったが、NY市場は終始プラス圏。中国人民銀行の追加緩和が改めて評価されたこと、NY連銀のダドリー総裁が利上げは年内はありうるが9月は適切ではないと発言したことで、午後は尻上がりに上昇した。7月の耐久財受注額は+2.0%でマイナスの市場予測を良い方に裏切り、為替のドル円はドル高円安が進行し120円前半、ユーロ円は136円台前半でユーロ安が進行。原油先物価格は下落し金先物価格も3日続落。CME先物清算値は18715円だった。
日経平均は303円高の18680円で始まる。TOPIXは1500台を回復してスタート。午前9時1分に18625円まで下げた後、すぐに18700円を超え、9時10分には18800円を超えて18810円の高値をつけるが5日移動平均18838円には届かない。NYで講演した黒田日銀総裁がインフレ目標達成に自信を示し、今は金融政策を調整する必要はないと発言。追加緩和期待に水を差し、ドル円は円高に進んで120円を割り込んだ動きに合わせて徐々に上げ幅を縮小し、9時37分に18605円の安値をつける。このところ10分程度で100円の上げ下げは日常茶飯事になっている。10時すぎまでに18750円近辺まで戻し序盤を通過した後、上海市場の開始待ち。その上海総合指数が小幅プラスで始まったのを確認して日経平均は上昇を開始し19800円にタッチする。〃鬼〃の上海に比べれば、黒田総裁はまるで小物扱い。ドル円が120円台を回復しても上海が上昇幅を圧縮すると日経平均も律儀にお付き合いする。18700円台でのアップダウンが続き、18800円にはタッチできない。上海も小幅プラスでもみあった。前引けは347円高の18724円だった。
上海市場は午前の取引をプラスで終えた。後場は前引け水準で再開しそのまま18700円台の小動きで推移するが、午後1時台は18600円を軸にその前後の水準まで下がる。それでもボラティリティは小さい。2時前からさらに18500円前後に水準を下げ、1時59分に18486円の安値をつける。前々日の底値から700円以上も上昇すると、上海が平穏なうちに利益を確定したくなるらしい。上海市場がプラスで再開すると、ややタイムラグをおいて18600円を超える。しかし終盤は上海市場が小幅プラスで安定してもドル円が120円を割ったままでは日経平均は18600円台に定着しきれず、結局197円高の18574円で続伸。今週は1000円を超えた日もあった日中値幅は323円で、比較的小さくすんだ。TOPIXはかろうじて1500台を確保。上海総合指数は終盤マイナスの時間帯もあったが最後は5.34%上昇して6日ぶりのプラスになり3000ポイント台も回復し、「世界同時株安」にひと区切りをつけた。
日経平均終値は197.61円高の18574.44円、TOPIX終値は+21.44の1500.41。売買高は28億株、売買代金は3兆782億円でやや落ち着いてきた。値上がり銘柄数は1369、値下がり銘柄数は448。プラスのセクターは29業種で、その上位は食料品、保険、建設、精密機器、情報・通信、銀行など。マイナスのセクターは鉄鋼、海運、パルプ・紙、その他製品の4業種だった。
28日の日経平均は大幅に3日続伸。NYダウは終始プラス圏で369ドル高と続伸した。NASDAQも115ポイントと3ケタ高。上海市場、ヨーロッパ市場の大幅高に加え、中国人民銀行の1400億元の流動性供給のニュース、新規失業保険申請件数が6000件減で5週間ぶり減少、原油先物価格が10%を超える上昇をみせ42ドル台を回復。そして今週最大の注目指標、4~6月期GDP改定値が年率換算+3.7%で速報値の+2.3%を1.4ポイントも上回るなどリスクオンの要素が揃った。しかし午後、急に落ち込む局面もあり、まだ不安は拭いきれていない。GDPの中身は個人消費と設備投資は速報値から上方修正されたが、PCE価格指数は+0.2%と伸び悩んでインフレ目標の2%はほど遠く、タカ派のカンサスシティ連銀のジョージ総裁が「(市場の混乱が)金利見通しを複雑にした」と発言するなど9月利上げ説はますます弱まった。為替はドル高が進行しドル円は121円近辺、ユーロ円は136円近辺。CME先物清算値は19015円だった。
月末の金曜日なので取引時間前に7月の政府のマクロ経済指標が集中的に発表された。労働力調査の有効求人倍率は1.21倍で、1992年2月以来23年5ヵ月ぶりの高水準。失業率は3.3%で前月比-0.1ポイントで3ヵ月ぶりに改善し、市場予測の3.4%を下回った。消費者物価指数(CPI)は、7月全国はプラスマイナス0.0%で横ばい。6月は+0.1%だったが、市場予測の-0.2%よりは良かった。8月東京都区部は-0.1%。7月の家計調査の二人以上世帯実質消費支出は-0.2%で市場予測の+1.0%を下回り、これが唯一の悪い指標。商業動態統計の小売業販売額は+1.6%で6月の+1.0%を上回り、特に百貨店が既存店ベースで+3.6%と好調だった。