今後の日本経済の安定的な発展のためには、女性の社会進出が欠かせないものとされている。そうしたなか、先日、帝国データバンクが女性登用に関する意識調査結果を発表。それによれば、2015年7月時点で女性管理職（課長相当職以上）がゼロであると回答した企業は全体の50.9％を占めていることがわかり、依然として女性登用が進行していない現状が明らかとなった。しかし25日、人事院が15年度の国家公務員一般職試験（大卒程度）と専門職試験（大卒程度）の合格者を発表。それによれば、国家公務員一般職試験の合格者は前年度比18.8％アップの7347人であり、そのうち女性は前年度比33.3％アップの2321人、合格者全体における割合は31.6％であったことがわかった。合格者数、割合ともに比較可能な1968年度以降で最高となった。
国家公務員一般職試験の倍率は4.9倍で、専門職試験の最高倍率は皇宮護衛官採用試験の33.6倍であった。国家公務員一般職試験は採用予定数3721人に対し、申込者数3万5640人、合格者数7347人、倍率は4.9倍という結果であった。合格者数は前年度の6183人に対して1164人増えた。
合格者を学歴別に見てみると、大学院が前年度比11.8％アップの865人、大学卒が前年度比18.9％アップの1390人、大学卒見・在・中退が前年度比67.0％アップの4922人、その他が前年度比2.3％アップの170人という結果であった。また合格者の出身大学数は前年度と同じ265校で、国立が80校、公立が38校、私立が147校という内訳になっている。
そして今回の国家公務員一般職試験における女性の合格者は2321人で、前年度の1741人に比べて580人増えた。そして合格者全体における割合も前年度から3.4ポイント増えて31.6％となった。こうして女性の合格者が過去最高となったことに対して人事院は、女性を対象とした業務説明会などの取り組みを進めた結果としている。
女性合格者の内訳は、行政系が5137人、土木や農業など技術系が2210人となっている。各省庁の面接試験を経て、合計3721人が採用される予定。（編集担当：滝川幸平）
