JNPタクシーは、全長×全幅×全高4350×1695×1700mmとコンパクト。ホイールベース2750mmと長く、背が高いものの、4つのタイヤをボディの四隅に配置し、安定感のあるフォルムを得た。パワーユニットはアクアの1.5リッターハイブリッドを採用する
トヨタは新型JPNタクシーの発売を2016年11月頃として開発を進めている。JPNタクシー2013年11月に開催された第43回東京モーターショーに出展したJPNタクシーコンセプトで、ハイブリッド車(HV)次世代国産タクシー専用車を実用化したモデルである。
トヨタによるとJPNタクシーコンセプトは、「みんなが乗りたくなる、そして笑顔になる。日本の街の風景を変え、日本の“おもてなしの心”から生まれた次世代タクシー」だ。
ボディ寸法は全長×全幅×全高4350×1695×1700mmとコンパクトだ。ホイールベース2750mmと長めに設定したことで、4つのタイヤをボディの四隅に配置し、背が高いものの安定感のあるフォルムを得た。全幅を5ナンバーサイズに抑えながら長いホイールベースと高めの全高で、広大な室内空間を実現している。ボディ構成コンセプトは、英ロンドンタクシーと同じと見た。
前席は90度近くまで大きく開く前ヒンジドアで乗降性に配慮。後席ドアは開口部の大きな電動スライドドアとしている。ラゲッジには中型スーツケースが4個収められる余裕がある。シートアレンジも多彩で、シートをアレンジすることで、車椅子のままで乗車できる。前席コンソールは、タクシーに必要な機器類を効率よく収められる設計で、後席用のインフォメーション大型モニターを設置することが出来るなど、随所にタクシーとして工夫が凝らされている。まさに、タクシー用途に徹底してこだわって設計した意欲作だ。
搭載するパワーユニットは、同社HV「アクア」のハイブリッドユニット「1.5リッターエンジン+モーター」のTHSⅡだ。前回のモーターショーでは「LPGハイブリッド」とされていたが、信頼性を重視する。10月に開幕する第44回東京モーターショーで具体的なモデルが発表されそう。将来的には燃料電池モデルも視野に入れていると思われる。トヨタは言及していないが、先日発売されたトヨタ最小ミニバン「シエンタ」をベースにしたのが、JPNタクシーと言えそうだ。
JPNタクシーは具体的には、来年の秋から走り始め、2020年の東京オリンピックの頃には、日本の主力タクシーとして全国で走るというのがトヨタの描くシナリオだ。
日産もすでにコマーシャルバンのNV200をベースにしたタクシー専用車を発売しており、“タクシーすなわちセダン”という定型が無くなる日がやってきそうだ。(編集担当:吉田恒)