日産が自治体へEVを3年間無償貸し出し

2015年09月09日 07:33

画・日産が自治体へEVを3年間無償貸し出し

日産は、電気自動車「e-NV200」を47都道府県の自治体に3年間無償貸与する「電気自動車(e-NV200)活用事例創発事業」を開始すると発表した。同車は、日産がグローバル展開する量販EVとしてはリーフに次いで2車種目である。

 日産<7201>は、電気自動車「e-NV200」を47都道府県の自治体に3年間無償貸与する「電気自動車(e-NV200)活用事例創発事業」を開始すると発表した。

 「e-NV200」は、NV200バネットをベースにした電気自動車(EV)で日産がグローバル展開する量販EVとしてはリーフに次いで2車種目である。

 前席側と荷室側(助手席シート下)の2ヶ所に合計で最大1500Wの電力を取り出すことができるパワープラグ(100Vコンセント)を装備していて、外出先での電源確保や屋外イベント実施時の電源提供や災害時における非常用電源として活用することができる。

 このプロジェクトは、「静粛性や給電機能を活かした各種作業車両としての活用」、「災害時の蓄電池としての活用」、「中山間地域でのガソリンスタンド減少対策」といった、より良い街づくりや行政課題の解決等の一助となる活用方法を考案した自治体に対して、「e-NV200」を3年間無償貸与する。これにより日産は、「e-NV200」の特長を活かした活用事例を積み上げて、電気自動車の更なる普及を目指していくとしている。

 日産の今回のこの取り組みは、同社がコメントしているように、電気自動車の普及を促すためであることは間違いないだろうが、それ以外にも自治体への「EVなら日産」というブランディング構築の一環でもあろう。ハイブリッドでトヨタ<7203>に乗り遅れた感のある日産だが、トヨタの場合は、自治体にどんなアプローチをしているか気になるところである。

 トヨタは、燃料電池車のMIRAI(ミライ)を今年1月に、愛知県と愛知県豊田市に1台ずつ納車している。しかし日産の今回の取り組みのような、自治体への継続的な大規模なプロジェクトは、行っていない。

 日産は、先月、松江城天守(松江市)の国宝指定を記念し、今回の無償貸し出しに使用される「e-NV200」を松江市に寄贈している。こうしたことからもわかるように、同社は地方自治体との提携や車両寄贈などを積極的に進めているのだ。(編集担当:久保田雄城)