「ゆう活」広まらず? 若手社会人が自由にできるアフター5「2時間」以内が6割

2015年09月15日 07:58

画・上場企業好益の一方て_消費者動向・景気ウォッチャーは悪化 消費者との乖離激しく

政府は「ゆう活」によって平日就業後の自由時間を増やそうとしているが、若手社会人は現状、「自由になる時間」をどれくらい持っているのか

 バブルの頃には「アフター5」という言葉が生きていた。仕事が終わった後、街へ繰り出して遊んだり、恋人との時間を過ごしたり……それも今や「死語」となりつつある。90年代以降の「失われた20年」で、若手の採用抑制や非正規雇用の増加が進んだ結果、「正社員」の就労時間はほとんど減らないどころか、むしり高止まり。多くの正社員にとっては「アフター5どころではない」のが現状だ。

 これをなんとかしようと、政府は新たな取組みとして今夏から「ゆう活」プロジェクトを始めた。勤務時間を朝型に変えて夕方の時間帯を有意義に過ごしてもらおうという取り組みだ。「アフター5を余暇活動に充ててもらおう」という狙いがある。国家公務員を対象に運用が開始され、同様の動きは一部の企業でも広がっている。

 このような「朝型勤務、ゆう活」について、働く若手社会人はどのように感じているのか。結婚相手の紹介、相談業などを手掛けるパートナーエージェントが、25~34歳の独身社会人200人を対象にアンケートを行なった結果、朝型勤務推奨の制度が「導入された」「検討中」はまだ15%にとどまることが分かった。  

 政府は「ゆう活」によって平日就業後の自由時間を増やそうとしているが、若手社会人は現状、「自由になる時間」をどれくらい持っているのか。20~34歳の独身社会人に聞いた結果では、「1時間未満」(20%)、「1時間」(13.5%)、「2時間」(25%)となり、「2時間」以内が58.5%だった。「アフター5が2時間以内」というのは、多くのビジネスパーソンにとって現実味のある数字ではないだろうか。

 出勤日に帰宅後の自由時間が「1時間」以上あると回答した人に対し、自由時間に「どんな活動をしているか」尋ねたところ、最多は「Webサイトを閲覧する」(53.1%)。続いて「テレビを見る」(52.5%)、「SNSをチェック/書き込む」(31.9%)、「音楽を聴く」(29.4%)なども多い。

 男女別でみると、「家族・恋人・友人・知人と直接話す」では、女性が男性を10ポイント以上も上回った。女性の方が、誰かとコミュニケーションを取るための活動に積極的なのかもしれない。一方、男性は女性と比べて「軽い運動やスポーツ」「ゲーム」の値が5ポイント以上高く、より自分の趣味に時間を費やしている。
 
 調査したパートナーエージェントでは、若手独身男女は全体的に、「仕事後は飲み会というよりインドアで過ごす傾向にある」とコメントした。(編集担当:北条かや)