【今週の展望】日々の変動が大きすぎて毎日が「変化日」か?

2015年09月27日 20:34

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25日移動平均線も、日足一目均衡表の「雲」も今週、現実の値幅の近くまで降りてくる。でもそれが「ニュー・ノーマル」でいいのか?

 今週は9月28日の月曜日が9月中間期の「権利落ち日」で、3月期決算銘柄は中間配当分だけ株価が自動的に下がる。その権利落ち分は日経平均株価では100~110円程度とみられている。9月30日は上半期末、10月1日は下半期入りの区切りだが、最近では機関投資家が月末や期末のポジション残高を〃お化粧〃する「ドレッシング買い」があまり期待できなくなっている。

 週末の10月2日は早くもアメリカの雇用統計の発表日で、日米で雇用統計待ちの様子見が出やすい週。ましてやマーケットは全体的に弱気に傾いている。チャイナリスクに加え、ヨーロッパ最強の経済のドイツでもフォルクスワーゲンの不祥事が飛び出した。FOMCの利上げが10月なのか、12月なのかも見方が割れ、手探りで不安定な状態は当分の間、続きそうだ。ただ、夏場に台風のように荒れた上海市場の日中の値動きが最近になって落ち着いてきたのは、取引時間が重なる東京市場にとっては望ましい傾向だろう。

 そうは言いながら、東京市場には今週、期待できる要素がないことはない。一つは「政策」。前週に安倍首相が記者会見で「新・三本の矢」など「アベノミクス第2ステージ」の経済政策の概要を発表したが、それに続いて首相訪米中の今週、与党あたりから具体的な政策の話が出てきそうだ。市場関係者が最も期待する補正予算による景気刺激は今のところ否定的な空気だが、新・三本の矢の発表後、子育て関連、介護関連など個別のセクター、銘柄の株価は反応している。

 もう一つは「企業業績」。2月期決算銘柄の3~8月期(中間期)決算が本格的に出始める。現状では訪日外国人客数には陰りが見えず高水準を保っているので、インバウンド消費の恩恵を受けた小売業の銘柄などは好決算や通期見通しの上方修正が期待できる。

 数値次第でポジティブな影響もネガティブな影響も出そうなのが「国内経済指標」。鉱工業生産指数、日銀短観、労働力調査など、毎朝、重要な指標が発表されてから取引がスタートする。ただ、日銀短観は9月調査なので中国経済への不安で経営者の心理が悪化しているかもしれず、予断を許さない。

 連休があったので、東京市場の需給データの「投資主体別株式売買動向」の発表は9月29日にずれ込んだが、信用取引の状況は25日に東証から発表されている。18日時点で信用買い残が2週ぶりに増加、信用売り残が2週ぶりに減少したが、信用倍率は直近ピークの9月4日の6.18から5.95に減っただけ。日経平均が2万円台に乗った3~6月はおおむね3.00~4.00の範囲におさまっていたのと比べると、依然としてハイレベルが続いている。前週のカラ売り比率は24日は38.6%、25日は41.3%で、史上最高水準からなかなか落ちない。これだけ見ても、日経平均終値の3ケタの上下動は当たり前という連日の高ボラティリティの説明がつく。8月12日以来、前日比の騰落が100円を超えなかった日は31営業日中7日しかなかったが、今週も派手に動きそうだ。

 25日終値17880.51円のテクニカル・ポジションを確認しておくと、移動平均線は全て上にあり、5日線は18025円、25日線は18399円、200日線は19116円、75日線は19751円。日足一目均衡表の「雲」は20033~20527円。雲は今週の29日と30日の間でねじれながら下がっていく。29日は20033~20191円でまだ「2万円台ワールド」内だが、一夜明けて30日は19661~19725円へと400円ほど位置が下にずれて、薄くなる。10月2日にはさらに下がり19277~19350円と、「17000~18000円台ワールド」のすぐ上にかかった幅73円の「薄雲」。しかし来週以降、雲の幅は日を追うごとに厚くなっていく。

 前回、前々回の雲のねじれは8月13~14日と26~27日に起きていて、その間に「プチ・パラダイムシフト」の急落が起きた。そのため、今週のねじれは状況が好転して元に戻れる前兆ではないかと好意的に解釈できそうだが、25日終値時点で10月2日の雲の下端19277円は1397円も上にあるので、ねじれても、どんなに薄くても、今週の「雲タッチ」「雲突破」は考えにくい。次のチャンスを待つことになりそうだ。それでも今週は「乱れ雲」の下で何か変化があってもおかしくはない。

 ボリンジャーバンドでは、25日終値は25日線-1σの17716円と+1σの19082円の間のニュートラルなゾーンの下のほうに位置する。そこは下値が限定されて上昇しやすいポジションと言える。それも24日の498円安が下げすぎだったおかげだ。

 オシレーター系指標では「売られすぎ」のシグナルが2つ点灯している。1つ目は騰落レシオで、68.15は売られすぎ判断ラインの70を下回っている。2つ目はストキャスティクス(9日・Fast/%D)で、29.7は売られすぎ判断ラインの30をわずかに下回っている。それ以外では、25日移動平均乖離率は-2.9%、サイコロジカルラインは6勝6敗で50.0、RSI(相対力指数)は47.7、RCI(順位相関指数)は-4.2、ボリュームレシオは48.7。全般的に低位で、反発が期待できる。