政府は2030年までに「あらゆる指導的地位における女性の割合を30%にする」との目標を掲げる。達成は難しいとみられているが、現在管理職の女性たちは、後輩女性らにエールを送っているようだ。パソナ(本社・東京)が、30~59歳の女性管理職321名を対象に意識調査を行ったところ、管理職になる前には「不安を感じていた」人が半数を超えていた一方、実際に管理職になってよかったと答える女性が過半数を超える結果となった。また、女性管理職候補者へのメッセージは「気負わず、まずは挑戦するべき」との回答が約7割にものぼることもわかった。
調査は今年9月末、関東・中部・関西に住む女性管理職321名に対し、インターネットリサーチで実施。対象となった女性管理職が「担当している部門」は管理系が多く、技術関連は15%以下だった。担当部門の部下は「5名以下」が半数以上だが、30名以上も13%いた。
成立して1ヶ月が経った「女性活躍推進法」の認知度は6割を超えた。一方で、こうした国の取組みに対して「期待している」人は3割。「期待していない」は4割、「どちらともいえない」も3割で、管理職女性たちの意識は分かれている。現状の企業内での取り組みについては、「取り組みをすでに開始している」割合が11.5%で、女性管理職に対する調査であるにもかかわらず、この数字はかなり低い。
「管理職になる前、不安を感じていましたか?」と聞いたところ、「とても不安だった(18%)+少し不安だった(36%)」を合わせて、不安を感じていた人が半数を超えた。理由で最も多かったのが「管理職の役割を果たせる自信がなかった」、次いで「スキル不足だと思っていた」「社内に女性管理職がいなかった」が上位を占めている。
ただ、実際に「管理職になってよかった」と答える女性の割合も半数を超え(52%)、「どちらともいえない(37%)」を上回った。「仕事の裁量や幅が広がり、やりがいが増えた」という声が最も多い。
これから管理職になる女性たちに「伝えたい思い」を1つ選んでもらったところ、「気負わずにまずは挑戦してみる方がいい(74%)」が、「慎重に考えてから挑戦したほうがいい(21%)」を大きく上回った。「管理職になるのはおすすめしない」は、わずか4%(四捨五入のため、合計が100%にならない場合もある)。女性管理職向けのアンケートに答えてくれる人に限った調査ではあるが、前向きな結果といえるだろう。(編集担当:北条かや)