【今週の振り返り】テロに屈しない意気を示し282円上昇した週

2015年11月21日 20:33

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フランスにおける内乱。パリを「破壊しに」とテロリストが言おうと、金融市場連鎖崩壊を食い止める「太平洋の防波堤」になった東京市場。だがごほうびの日経平均2万円は、おあずけ。

 パリ警察がテロリストのアジトを制圧すると、19日に金融企業のオフィスも多い副都心ラ・デファンス地区でテロを計画していたことが判明したという。今のところ平和な日本の10月の訪日外国人客数は前年同月比43.8%増の182万人。中国からの観光客は国慶節休暇もあり前年同月比約2倍の44万人で景気減速の影響はみられないという。1~10月トータルでは1631万人だが、13日に起きた出来事のせいで旅行者の世界的な減少が予想され、年間2000万人には届かない見通し。インバウンド消費を当て込んで全国の免税店数は前年比約3倍になったという。訪日外国人2000万人の政府目標の達成も、各国の観光業の発展も「世界の平和」が大前提。それを願うのも世界の総意。

 マニラではAPEC首脳会合が始まり、19日まで。取引時間前に発表された10月の貿易統計は1115億円の貿易黒字、輸入の12.4%減が輸出の2.1%減を大きく上回り、7ヵ月ぶりに輸出超過の黒字になった。日経平均は202円高の19851円で始まる。TOPIXは8月20日以来の1600の大台を回復しスタート。売り物をこなして午前9時2分に19838円まで下げた後、9時21分に19878円まで上昇するが、序盤は40円以内の小幅な値動き。しかし9時台後半になるとにわかに買いが入り、8月20日以来の19900円突破。その8月20日と21日の間には19800円台、19900円台を飛ばした296円の大マドがあいていて、まさに「チャイナパニック」の大暴落だった。だいぶ以前のようで、わずか3ヵ月前の出来事。

 日経平均は9時47分には19923円まで上昇する。しばらく19900円をはさんで小動きした後、10時を回ると先物主導で2万円を目指す上昇の第二波到来。正午すぎの日銀会合の結果を静かに待つことなく先に動く。CME先物清算値も19950円も突破して10時18分に19959円の高値を取り、上昇幅が300円を超えて2万円まであと41円と、カウントダウン態勢に入った。先物は19970円まで上昇。上海市場は小幅プラスで始まりプラス圏で小動きするが、日経平均は「晴れの瞬間」を前に20円ほど下げてひと休みし、呼吸を整える。上海はマイナスにタッチしてもすぐプラスに戻すが、日経平均は2万円にタッチできないまま1時間以上が経過し、19900円台前半で徐々に値を下げていく。頭を抑えたのは為替で、わずかずつ円高方向に振れていた。「日銀会合の結果発表前に2万円突破イベントを済ませておきたい」という思惑はかなわず、前引けは276円高の19925円。TOPIXは1600台を堅持した。

 上海市場はプラスを維持できず午前中の取引をマイナスで終えた。昼休み中に日銀の金融政策決定会合の結果が発表され、大方の予想通りに金融政策現状維持で、「プチ・ボージョレー・ヌーボー緩和」もなし。反対は〃反逆のカリスマ〃木内登英審議委員ただ1人だが、その主張は追加緩和ではなく緩和政策縮小。結果を受けて先物は下落し為替の円高も進行した。そのため後場の日経平均は19900円をあっさり割り込み、始値付近の19853円で再開する。一時19900円に接近してもすぐに下落して安値を更新し、19800円も割り込んでしまう。前場の2万円タッチのチャンスを逃したら、どんどん遠ざかっていった。チャンスの女神様はアヴァンギャルド系女子。前髪をつかみ損ねると後頭部はツルツルのスキンヘッドでキメている。

 午後0時52分に19761円まで下がって日銀会合の結果を織り込み、2万円チャレンジはここから改めてやり直し。0時台のうちに19800円台を回復し、1時台前半のうちに19850円に乗せ直す。1時30分に9月の全産業活動指数が発表され、102.2で前月比で0.2%低下した。下落率は8月と同じで市場予測の+0.2%を下回った。第三次産業活動指数は-0.4%、建設業活動指数は-1.8%、鉱工業生産指数は+1.1%。日経平均は19900円台まで戻せば明日につながるが、19850円付近でモタモタする。それでも2時までに19880円付近まで回復した。再開した上海市場はプラスにタッチしながらも小幅マイナス。2時台の日経平均は19900円にタッチしてもタッチしただけ。2時に10月の全国百貨店売上高が発表され、既存店ベースでは4.2%増で7ヵ月連続のプラス。東京地区も7.4%増で7ヵ月連続のプラスだった。終盤になると上昇のエネルギーも息切れして19800円台半ばの水準を維持するのがやっと。上海がプラスに転じて下げ幅を拡大してもそのまま大引けになり、終値は210円高の19859円で3日続伸した。「19700円の壁」を乗り越えて159円高く終えたが、8月20日以来3ヵ月ぶりの2万円台回復はおあずけ。TOPIXは終値でも1600台に乗せた。日経平均先物日中取引は19880円で終了し翌日の2万円チャレンジに希望をつなぐ。上海総合指数は終盤上げ幅を拡大して1.36%高と反発していた。

 郵政3社が上場した4日以来の新規IPOが2件あった。家賃債務の保証事業を行うあんしん保証<7183>が東証マザーズに新規上場。大引けまで初値がつかず、公開価格1460円の2.3倍の3360円の買い気配で終了し、初値は翌日以降に持ち越しになった。「賃貸住宅を建てて相続税を節税」という動きはずっと続いており、広い意味での相続税関連銘柄になる。自動翻訳サービス、人による翻訳、通訳、企業向けの語学研修事業を行うロゼッタ<6182>が東証マザーズに新規上場。大引けまで初値がつかず、公開価格695円に対し2.3倍の1599円の買い気配で終了し、初値は翌日以降に持ち越しになった。日本人の語学コンプレックスの克服が企業理念。テロが起ころうとビジネスのグローバル化に伴う翻訳、通訳のニーズは高まるばかり。

 日経平均終値は210.63円高の19859.81円、TOPIX終値は+13.85の1600.38。売買高は20億株、売買代金は2兆4292億円。値上がり銘柄数は1411、値下がり銘柄数は373で、2万円回復ならずの挫折感はあっても全面高の日だった。上昇セクターは31業種で上位は倉庫、非鉄金属、鉄鋼、保険、金属製品、精密機器など。下落セクターは「ISがNYでテロを計画」と報じられて下落した空運と、日銀会合での追加緩和期待が外れた不動産の2業種だった。

 20日の日経平均は大引け直前の大逆転で4日続伸。パリのテロの主犯格の男は死亡確認。恐怖のテロリスト集団も司令塔が消えれば烏合の衆にすぎない。10月22日に開催されたECB理事会の議事要旨は、物価上昇の後ずれを認識して12月の追加緩和の可能性を強く感じさせる内容で、ヨーロッパ市場は軒並み上昇した。NYダウは4.41ドル安で4日ぶりの小幅反落。NASDAQもS&P500も小幅安で終えた。朝から前日終値をはさんでのもみあいが続き、終盤は取引終了後にフィッシャーFRB副議長の講演を控えての様子見もあった。フィラデルフィア連銀製造業景況感指数は+1.9で3ヵ月ぶりのプラスになり、市場予測の+1.0を上回った。期待指数も改善。原油先物は反落。金先物はドル安で大幅続伸。為替のドル円は日銀の追加緩和見送りを材料に円高になり122円台後半。ユーロは買い戻されてユーロ円は132円近辺。CME先物清算値は19850円だった。

 為替が円高に振れ、前日の前場、あと一歩でチャンスを逃した2万円の回復には環境が悪化した中、日経平均は59円安の19800円で始まる。TOPIXも1600台から滑り落ちる。序盤は午前9時40分の19715円までどんどん下落。10時直後には19780円付近まで戻すがそこまで。10時台は19700円台半ばで値動きが小さくなる。上海市場はプラスで始まったが前日終値をはさんでプラスとマイナスを行ったり来たり。日経平均は3連休前ならではの薄商いの膠着状態が続き、19740~19780円の狭いレンジで静かに動き、前引けは103円安の19755円。TOPIXは1590台を手堅く維持していた。