貧困層にフォーカスした適切な対応を提起

2012年06月04日 11:00

 藤田幸久財務副大臣は第47回アフリカ開発銀行・第38回アフリカ開発基金年次総会での日本としての総務演説で「世界経済は緩やかに回復しているものの、欧州情勢等を背景とした不安定な状況はなお続いている」として「アフリカはグローバル経済との関係強化を通じて経済成長を実現する一方、金融・経済危機の影響を受けるリスクに晒されている。アフリカ開発銀行が脆弱な貧困層にリスクの悪影響が波及しないよう注視し、必要に応じて貧困層にフォーカスした支援など適切な対応を取っていくことが求められる」とした。

 また、日本とアフリカの関係においては「先のG8キャンプ・デービッド・サミットに際して、我が国は(アフリカ開発銀行と共に民間主導の経済成長を促進していくため立ち上げた共同イニシアティブの下で)今後、5年間で、新たに10億ドルの円借款を供与することを決定した」と日本としての今後の取り組み姿勢を紹介し「引き続き、我が国が資金貢献しているアフリカ民間セクター向支援基金を通じて、中小企業に対する経営指導等の技術協力を実施していきたい」とした。

 また、2008年に日本企業とタンザニア企業の合弁による世界最大のマラリア対策のための蚊帳(かや)の製造工場が建設され、マラリア撲滅にも大きく貢献しているとアピール。「友好関係を基盤としてアフリカの未来の繁栄のために協力していく」との姿勢を強調した。(編集担当:森高龍二)