原油先物市場もOPECの月報でイラクやサウジアラビアの増産が伝わって反発が弱々しくシェブロン、コノコなどエネルギー大手の投資削減が報じられた。しかしダウは3日続落後の買い戻しも入ってほぼ終日プラス。上昇幅が200ドルを超えた時間帯もあったが、原油先物が結局マイナスで終わった後の終盤には売りが出て絞られた。アメリカの長期金利は上昇、金先物は3日ぶりに反落。為替はドルが反発しドル円は121円台後半、ユーロ円は133円台前半。CME先物清算値は19040円だった。
東証の外は風雨強かるべし。まるで台風のよう。「メジャーSQ清算値算出日」の日経平均は25円安の19020円で始まり、19000円台は死守。その始値を「寄り安」にしてプラス圏に浮上する。TOPIXも「寄り安」でマイナスからプラスに転換。午前9時6分にSQ清算値が出て、18943.54円で19000円を下回ったが、「まぼろしのSQ」になる可能性が生まれた。算出日当日の値動きが最後までSQ値を上回って推移すれば、その後は日を追って株価が上昇するという「吉兆のアノマリー」がある。それを先取りしたように9時7分には19100円台に乗せ、序盤は3歩進んで1歩下がるような順調なペースで19150円を突破。為替も122円台に乗せる円安進行でフォロー。中だるみはあったが、10時1分には19200円台に乗せた。10時20分に19259円まで上昇。上海市場はマイナスで始まって小動きするが、日経平均はなおも上昇して10時39分に19282円の高値を取る。これがSQ通過の解放感? 東証の外は風はまだ強いものの、雨がやんで日が差してきた。上海はマイナス圏でくすぶり、日経平均も11時台には上昇が一服して19300円再接近はならず、前引けは188円高の19235円だった。前週末の19504円はまだまだ遠い。
上海市場の午前の取引はマイナス圏であまり動かずに終わり、後場の日経平均は前引けから少し低い水準で再開した後、これもあまり動かない。このところ連日、前場に動くだけ動いて、後場は薄商いで値が動かないシエスタ。19200円台半ばの小動きが午後1時台半ばまで続く。2時前に少し下げて19200円を割り込む時間帯があったが、すぐに19200円台に戻る。為替レートは前場から動きなし。上海市場はマイナスで午後の取引を再開して徐々に下げ幅を圧縮するが、2時台の日経平均は変動幅が少し大きくなっても19200円台前半の範囲にとどまり、上値追いをしない。来週の日米の中央銀行イベントを意識した様子見。そのまま終了して大引けは183円高の19230円で反発した。日経平均株価がSQ値を一度も下回らないという吉兆のほうの「まぼろしのSQ」が確定し、来週以降に期待をつなぐ。TOPIXは終値で1550台に乗せられなかったがこれも吉兆の「まぼろしのSQ」確定。上海総合指数は一度もプラスに浮上できず、0.60%安で終了した。
新規IPOが1件。コンピュータシステムのコンサルティング、企画、設計、ソフトウェアの販売、運用、保守管理などを手がけるランドコンピュータ<3924>が東証2部に新規上場。公開価格1760円に対し1時23分、2.03倍の3580円の初値がついた。終値は2906円。今週の2件は人気のIT関連だったが、白星でも初値形成後がさえなかった。
日経平均終値は183.93円高の19230.48円、TOPIX終値は+9.16の1549.51。売買高は24億株、メジャーSQなので売買代金は3兆円台に乗せて3兆659億円。値上がり銘柄数は1260、値下がり銘柄数は547。プラスの業種は27でその上位は医薬品、倉庫、鉄鋼、電気機器、輸送用機器、空運など。マイナスのセクターは水産・農林、保険、その他製品、銀行、不動産、電気・ガスの6業種だった。
今週の星取は2勝3敗。前週末4日の終値19504.48円から274.00円下落し、メジャーSQ前の「鬼門」の荒れる火曜、水曜と、木曜の為替の円高に翻弄され、一時2万円から約1000円も遠ざかった今週の取引を終えた。週間騰落は2週連続でマイナスになった。(編集担当:寺尾淳)