「栄光の3日間」で2015年を締めくくれるか?

2015年12月28日 05:12

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「掉尾の一振」どころか、暗黒面へ墜ちた。このまま終わるわけにはいかない5日続落。大納会まで3日間。新たなる希望をもたらす救世主が現れるとしたら、それは誰なのか?

 今週、12月第5週(12月28~30日)は30日の水曜日が1年納めの「大納会」で、この日で2015年の取引が終了するので3日間の取引。半ドンだった以前と違って大納会の日も午後3時までフルタイムで取引がある。3時から始まる大納会の特別ゲストは、9月に100年以上の歴史を誇るトーンキュンストラー管弦楽団(オーストリア)の音楽監督に就任した指揮者の佐渡裕さん。音楽家らしく室内楽アンサンブルや合唱団でも率いて東証アローズに現れる、かもしれない。お楽しみに。2016年の取引が始まる「大発会」は1月4日の月曜日。曜日の関係で東京市場は新年、世界の主要市場で一番最初に開く。

 世界の主要株式市場の休場日は、28日は英国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなどかつての英連邦諸国が「ボクシング・デー」の振替休日で休場する。ボクシングと言っても拳闘のことではなく、箱を開ける日という意味。由来は、教会に置かれたクリスマス・チャリティーの寄付の箱をクリスマス翌日に開けて貧しい人たちに配ったという説や、英国の貴族がクリスマスの翌日を執事(バトラー)や専属の料理人や会計士やお手伝いさんの休日とし、お礼として贈り物の箱を渡していたという説がある。30日はフィリピンが「リサール記念日」で休場する。ホセ・リサールは19世紀のフィリピン独立運動の英雄。スペイン軍に捕らえられ1896年12月30日、銃殺刑に処せられた。首都マニラの公園にその名を刻む。

 12月31日と1月1日は休場する市場が多い。両方休めば2日の土曜日、3日の日曜日も含めて4連休になる。ヨーロッパは31日はドイツ、フランスは休場するが英国は開く。1日は休場。NY市場は31日は開く。1日は休場。31日は香港市場は短縮取引、上海市場は終日開く。1日はどちらも休場。

 国内の経済指標、イベントは、28日の鉱工業生産指数速報値が重要。

 28日は11月の鉱工業生産指数速報値、11月の商業動態統計(小売業販売額など)が、それぞれ発表される。

 28日は「官庁御用納め」。日本ではこの日で仕事納めとし、29日から年末年始の休業に入る企業が多い。30日は証券取引所の1年納めの「大納会」。31日は「大みそか」。

 証券関係の2016年1月1日からの変更は、「金融所得課税の一体化」に伴って、上場株式、株式投資信託、公社債投信、公社債の税制が統一される。そして「マイナンバー制度(社会保障・税番号制度)」が正式にスタートする。なお、「ジュニアNISA」は4月1日開始で、1月から申し込み受付が始まる。

 主要銘柄の決算発表は少ないが、2月期決算銘柄(3~11月期決算)、12月期決算銘柄(本決算)の業績観測記事が出てくる時期。

 28日はハローズ<2742>、DCMHD<3050>、パイプドHD<3919>、キャリアリンク<6070>、ヒマラヤ<7514>、宝印刷<7921>、タカキュー<8166>、しまむら<8227>。29日はアダストリア<2685>。30日はシベール<2228>、きょくとう<2300>、セキド<9878>。

 新規IPOは年内の予定は25日で全て終了し、今週はない。年明けの第1号は3月上場の見込みで、IPOは春が来るまで冬眠。

 海外の経済指標、イベントは、1月1日の中国の12月の製造業PMIが重要。弱々しい数字がずっと続いており、元日早々、おとそ気分を吹き飛ばす悪化をみせる恐れもある。

 29日はアメリカの10月のS&Pケース・シラー住宅価格指数、12月のCB消費者信頼感指数、30日はアメリカの11月の中古住宅販売仮契約、31日はアメリカの12月のシカゴ購買部協会景気指数、1月1日は中国の12月製造業購買担当者景気指数(PMI/国家統計局および財新)が、それぞれ発表される。

 31日にASEAN経済共同体が発足する。1月1日に国連安全保障理事会の非常任理事国が交代し、日本が非常任理事国になる。

 アメリカ主要企業の決算発表はない。

 前週、日経平均はNYダウの3日続伸とは真逆に、誰かに呪われたかのように5日続落した。しかし、前週4日間の下落幅はトータル217円で、前々週18日の366円の約6割にとどまった。1日の下落幅が217円を超えた日は12月だけで5営業日もある。「結果的に小幅安が4日続いただけのこと」と、なぐさめの言葉を言おうと思えば、言える。

 だが、12月のメジャーSQ週に続き波乱の中央銀行イベントの前々週を通過し、「さあ、これから『掉尾の一振』だ」と意気込んでいた人は、まるで真綿で首を絞められるような思いがしただろう。前週の4日間はザラ場でプラスになる時間帯もあり「惜敗」だったと言えるが、惜敗こそ本当は怖い。かつて最下位の常連だった某プロ野球球団は、大負けではなく惜敗が続いて、ファンが「明日こそ、勝てる」と希望をつないでいる間に、いつの間にか最下位という「指定席」にどっしり座ってしまっていた。