子供の「将来なりたいもの」人気ランキング 男児の2位は野球選手 1位は?

2016年01月17日 15:17

 第一生命<8750>が1989年から実施してきた「大人になったらなりたいもの」アンケート調査。この調査も2015年度で27回目となり、長い間日本の子供たちの描く将来の夢を見つめ続けてきた調査だが、今回も世相と男女児童の違いを反映させた興味深い結果が出た。

 今回の調査は2015 年7月~9月に実施され、全国の未就学児と小学生1年生~6年生までが調査対象となった。サンプル数は1100。

 まず、男児の「なりたいもの」第1位はサッカー選手。これは6年連続でトップだそうだ。2位に野球選手、3位に警察官・刑事がランクインした。ひと昔前の世代ではこの1位と2位が逆だったこともあるだろうが、今の子供たちにはサッカー選手人気が優勢のようだ。

 その他ではトップ3には入らなかったものの、4位に電車・バス・車の運転士が入っており、男児の乗り物全般への興味は根強いものがあると実感させられる。

 一方、女児の「なりたいもの」第1位はなんと19年連続で「食べ物屋さん」だった。2位、3位にそれぞれ保育園・幼稚園の先生、看護師さんがランクイン。トップ3が見事に「身近にいる人」に当てはまる職業であり、女児の職業への憧れは普段の生活の中で誰と接しているかで形成される可能性が高いのかもしれない。

 意外だが、女児のランキング4位には医師が入っている。実は2007年度調査でも医師は5位だったが、この2000年代の間で女医が主人公のドラマが多く放映されたことも影響しているのだろうか。ちなみに男児では医師は6位である。

 こうして男女別に見ると、やはり違いが大きく出るものだが、男児は女児と比べ、割と社会での活躍ぶりがわかりやすい職業に目が行きやすいとわかる。それは単にメディアでの露出が高いからなのか、それとも男子としての本能で無意識のうちに将来、皆から注目を集めやすいもの(特に女性)を選び取っているのかもしれない。

 ところで、子供たちの将来が語られる時、「末は博士か大臣か」という言葉がよく用いられたが、最近ではあまり聞かれなくなった。

 今回の調査でも、学者・博士は8位にとどまっているが、なんと2002年度調査(7歳、小学1年生)では第1位だったのだ。2004年度でも3位、2007年度も2位でトップ3に入っており、ノーベル賞受賞者も出て話題になったにも関わらず、最近のこの落ち込みぶりは一体何なのだろうか。

 子供の語る「将来」や「夢」にはさりげなく親の意向が入る。「大きな夢を抱くのもいいけれど、まずはこつこつ真面目に働いて自立してほしい」という親の切実で謙虚な願いを、幼い子供が敏感に感じ取っているのだろう。昨今、高学歴ワーキングプアが出現していることも人気が落ちた要因の一つにありそうだ。

 スポーツ選手になりたい、くらいだったら子供らしい夢として親も目を細めていられるのかもしれない。(編集担当:久保田雄城)