【今週の振り返り】フラッグ型チャートを描き1014円上昇した週

2016年02月20日 20:32

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15日に「春一番」が吹いて1069円高。しかし世界がリスクオンしても、毎日必ず、為替を巻き込んだ先物主導安の「ザラ場のスナイパー」に撃たれた。

 日経平均終値は218.07円安の15836.36円、TOPIX終値は-14.61の1282.40。売買高は28億株、売買代金は3兆1136億円。値上がり銘柄数は729、値下がり銘柄数は1087。プラスは情報・通信、空運の2業種。マイナスは31業種で、下位は鉱業、石油・石炭、保険、医薬品、鉄鋼、繊維など。上海総合指数は1.08%高だった。

 18日の日経平均は大幅反発で16100円台回復。NYダウは257ドル高で3日連続3ケタ高。1月のFOMC議事要旨でメンバーが揃ってマーケットの混乱を懸念し、原油先物終値は30ドル台でもヨーロッパの大幅高を受けてNYも終始プラス圏を維持し、リスクオンが復調。朝方の為替レートはドル円が114円前半、ユーロ円が126円台後半。CME先物清算値は16050円だった。

 取引開始直前に為替が円安に動いて日経平均は301円高の16138円で始まり、16100円台回復。TOPIXは1300台に乗せて始まる。序盤で16200円を超えて16300円にタッチ。10時6分には16118円まで下げるが、中国の経済指標がほぼ市場予測通りで上海市場がプラスで始まると16200円台に戻す。11時台に16200円を一時割り込んでも前引けは16227円。後場は前日比400円高で再開し、16200円台でほぼ安定。2時台には上海が上昇幅を拡大し16300円台にタッチして2時25分に501円高の16337円の高値をつけるが、この日も昼下がりの「為替の円高を伴う先物主導の下げ」が来襲。ドル円は114円を割り込み上海市場も急落した。前日比大幅高水準ではあるが日経平均は16200円を割り込み、大引けは16196円。しかしTOPIXは9日以来6営業日ぶりに終値1300台で終えた。

 日経平均終値は360.44円高の16196.80円、TOPIX終値は+28.80の1311.20。売買高は26億株、売買代金は2兆7012億円。値上がり銘柄数は1725、値下がり銘柄数は171。プラスは30業種で、その上位は石油・石炭、鉱業、卸売、鉄鋼、その他製品、非鉄金属など総合商社も含め資源関連セクターが上位を占めた。前日の増産凍結の4ヵ国合意をイラン、リビア、UAEが支持し、原油先物価格が時間外取引で31ドル台に上昇していた。マイナスは原油高でデメリットが出る空運、ゴム製品と、自社株買いで3日連騰した反動でソフトバンクGが足を引っ張った情報・通信の3業種。上海総合指数は終盤マイナスに落ちて-0.15%の小幅安だった。

 19日の日経平均は大幅反落。ECB議事要旨を好感しドイツ、フランスの株価は上昇。フィラデルフィア連銀製造業景気指数はマイナスでも市場予測より良かった。原油先物価格はいったん上昇したが午後は下がり終値30ドル台。NYダウは40ドル安で4日ぶりに反落し上昇一服。朝方の為替レートはドル円が113円台前半、ユーロ円が125円台後半でドル安円高。CME先物清算値は15955円。

 日経平均は146円安の16050円で始まる。TOPIXは1300割れ。序盤は16000円をはさんだ値動きを維持したが、9時45分頃から為替の円高を伴った先物主導の値崩れが早くも始まり、ドル円は113円を下回り、日経平均は15900円を割り込み15849円まで下落。上海は小幅マイナスで始まる。いったん15900円をはさむ小動きになっても、上海市場が乱高下すると10時台後半から再び下げ、11時7分に15807円の安値更新。カラ売り比率は40%を超え、リスクオフはまだ癒えていない。前引けは360円安の15836円。

 上海はマイナス圏で下げ幅拡大。後場は冒頭に15900円を超えたのもつかの間、為替の円高と連動してズルズル下げて1時15分に15800円を一瞬割り込み15799円をつけて下げ止まる。その後は15800円台後半で動きが乏しくなる。2時に再開した上海市場が下げ幅を圧縮すると日経平均も上に動き出して15900円、15950円を超え16000円に接近。ドル円が112円台で地合いが悪くても16000円の大台に乗せて終われば御の字。先導役の上海がプラス浮上直前でヘタれてもドル円は113円台に戻り、日経平均は2時30分過ぎに16000円台に一時乗せる。しかし上海がプラスにタッチしても日経平均は16000円に定着できず、大台はレジスタンスラインと化す。その英雄的抵抗に最後は息切れし大引けは15967円だった。

 日経平均終値は229.63円安の15967.17円、TOPIX終値は-19.38の1291.82。売買高は22億株、売買代金は2兆2775億円と金曜日にしては少なめ。値上がり銘柄数は380、値下がり銘柄数は1471。プラスは羽田発着の日米路線増便のニュースがあった空運と陸運、不動産、電気・ガスの4業種。マイナスは29業種で、その下位は鉱業、石油・石炭、銀行、ガラス・土石、非鉄金属、鉄鋼など。上海総合指数は終盤ボロボロ下落したが最後は0.10%安まで戻して終えた。

 今週の星取は3勝2敗。前週末12日の終値14952.61円から1014.56円上昇して今週の取引を終えた。月曜に1069円高の「長い旗竿」が立った後は、上下にはためく「フラッグ型」のチャートパターンを描いた。(編集担当:寺尾淳)