2月の全国倒産件数は723件 2月としては4年ぶりに前年を上回る

2016年03月11日 08:38

画・消費者態度指数、前月からマイナス1.2ポイント 物価高受け不安広がる

東京商工リサーチによると、倒産件数は、前年同月比4.4%増(31件増)で、2015年12月に次いで前年同月比増加になった。

 東京商工リサーチによると、2016年2月度の全国企業倒産(負債額1,000万円以上)は、件数が723件、負債総額は1,635億1,600万円だった。倒産件数は、前年同月比4.4%増(31件増)で、2015年12月に次いで前年同月比増加になった。また、低水準ながら3カ月ぶりの700件超えで、2月としては4年ぶりに前年を上回った。

 全体では金融機関が中小企業のリスケ要請に柔軟に応じていることや、大手輸出企業を中心とした業績拡大による景気の底上げなどから、件数は依然として低水準な推移が続いている。しかし最近は、2015年12月に特殊要因(船舶運航管理会社グループ39社が同時に会社更生手続きを開始決定)もあって9カ月ぶりに前年同月を上回り、当月も再び前年同月比増加に転じるなど、倒産件数に下げ止まりの兆しもうかがえ、今後の動向が注目されるとしている。

 負債総額は、前年同月比8.1%増(123億3,600万円増)。2カ月ぶりに前年同月を上回った。負債10億円以上の大型倒産は34件(前年同月比6.2%増)で、4カ月連続で前年同月を上回った。

 産業別では、10産業のうち6産業で前年同月を上回った。このうち、建設業は140件(前年同月比14.7%増)で、2カ月ぶりに前年同月を上回った。内訳では、公共事業拡大の追い風を受け減少を続けてきた土木工事業が前年同月同数の24件で、最近は下げ止まり傾向をみせていることが注目されるとしている。

 また、製造業は110件(同17.0%増)で3カ月ぶりに増加し、印刷業(4→13件)などが件数を押し上げた。飲食業や広告業などを含むサービス業他が186件(前年同月比13.4%増)、運輸業も道路貨物運送業を中心に27件(同28.5%増)、情報通信業が36件(同9.0%増)でそれぞれ増加に転じた。金融・保険業5件(前年同月3件)も件数は少ないが前年同月を上回った。一方、小売業は93件(前年同月比11.4%減)で3カ月連続で減少したほか、卸売業102件(同13.5%減)と不動産業21件(同12.5%減)は、2カ月ぶりに前年同月を下回った。農・林・漁・鉱業は3件(前年同月8件)で前年同月を下回った。

 地区別件数は、9地区のうち6地区で前年同月を上回った。このうち、中部が91件(前年同月比10.9%増)で8カ月ぶりに前年同月を上回った。北陸は21件(同31.2%増)で3カ月連続の増加、近畿は187件(同8.7%増)で2カ月連続の増加。また、関東273件(同6.2%増)と東北29件(同20.8%増)は、それぞれ2カ月ぶりに増加し、北海道が22件(同10.0%増)で3カ月ぶりに前年同月を上回った。

 一方、九州は56件(同8.1%減)で3カ月連続の減少、中国31件(同26.1%減)と四国13件(同27.7%減)がともに2カ月連続で減少したとしている。(編集担当:慶尾六郎)