首都高、4月からの新料金に盲点…割引が適用されず高くなるケースも

2016年03月20日 11:57

画・首都高、4月からの新料金に盲点…割引が適用されず高くなるケースも

2016年4月1日午前0時より、首都圏の高速道路料金が変更される。どのルートを通っても基本的に同じ料金とすることで、圏央道や外環道の利用を促進し、渋滞の緩和を図る。しかし、割引が適用されないケースもあり、注意が必要だ。

 2016年4月1日午前0時より、首都圏の高速道路料金が変更される。どのルートを通っても基本的に同じ料金とすることで、圏央道や外環道の利用を促進し、渋滞の緩和を図る。

 料金改定のポイントは2つ。「1.基本走行距離に応じた料金設定」になり、ETC車においては「2.経路に関係なく起終点間の最短距離を基本料金」とする。

 現行では、6kmごとの料金距離に応じて加算されるが、4月1日以降は0.1kmごとの料金距離に応じて10円単位で加算されるようになる。上限料金は普通車の場合1300円、下限料金は300円。また、経路に関係なく「最短距離」を基本料金とするため、迂回のために遠回りしても最短料金が適用される。

 ただし、外環道の各出入口、首都高速の各出入口を出発点(目的地)とする場合、料金の引き下げが適用されず「走行経路どおりの料金」となるため、注意が必要だ。

 外環の外側の放射高速(常磐道・東北道・首都高S5埼玉大宮線)のインターと、首都高C1都心環状線内のランプとを行き来する場合に限り、迂回のために外環道を「1JCT区間」利用しても料金が全額割引となる。2JTC区間以上使うと対象外だ。

 例えば、首都高6号三郷線「八潮南」から首都高S1川口線「新郷」へ向かうとしよう。首都高C2中央環状線経由ならば780円(19.4km)だが、外環道へ迂回すると1140円(21.5km)と、360円高くなってしまう。

 また、首都高の長距離利用料金が値上がりとなるため、一部から不満の声が上がっている。上限が930円から1300円と、大幅に高くなるのだ。

 だが、値上げなしに今回の統一料金制の実現は難しい。首都圏を横断するとなると首都高を突っ切るルートが最も安いわけだが、もし930円のまま統一料金制を実施するとなると、NEXCOの高速道路料金の単価を引き下げるを得ない。首都圏ばかりを優遇するわけにはいかず、料金水準を合わせようとすると、1兆円規模の税が必要になり、財源の確保が困難だ。

 ちなみに、新料金はETC搭載車であることが大前提である。ETCがない車だと「一律」で普通料金の1300円を支払うことになる。頻繁に首都高を利用するドライバーはETCを付けたほうが断然お得だ。(編集担当:久保田雄城)